【山田美保子のミホコは見ていた!】「酒のツマミ」タレントへの貢献度

main-image

 「酒のツマミになる話」(フジテレビ系)の終了決定には多くの視聴者から落胆の声があがっているが、それ以上にガッカリしているのはタレントや所属事務所ではないか。

 ごく一部の下戸を除き出演者全員がグラスを片手に、番組特製の“酒瓶ルーレット”により順番が回ってくると、居酒屋で繰り広げられるようなトークをノリノリで展開。結果、他の番組では話せなかったとっておきのネタや、ゲストの愛すべき素顔や本音が垣間見られたものだ。

 たとえばGENERATIONSの片寄涼太と村重杏奈のバトルは番組史上に残る名場面だったし、掛け算九九ができなかったことでスタジオの爆笑をさらい、そこから「ぽかぽか」(同)レギュラーや主演ドラマ「人事の人見」(同)に繋げたTravis Japanの松田元太は「酒のツマミ~」が生んだ最大のスターと言っていいだろう。

 さらにアンミカの「白って200色あんねん」は、「なんでも褒める力」をプチ自慢していた際、彼女の手元にあった“おしぼり”がきっかけで誕生。直後、競技プログラマー・百千万億萬氏作のゲーム「White200」とアンミカの言葉を絡めたネットミームも生まれた。

 今年8月にはTVerオリジナルコンテンツ「酒のツマミになる話HANARE」が配信され、大いに話題となった。MCにフットボールアワーの後藤輝基、サブMCにオズワルドの伊藤俊介と畠中悠を据えた“新人発掘編”で、恋愛リアリティショー「バチェロッテ・ジャパン」でブレイクした當間ローズが新たなトークの武器を抱えて登場。本編も含め、再度、再々度の出演が期待されていたところである。

 一般に、トークバラエティにはオーディション要素が含まれており、前出の村重や松田のようにワンチャンスを存分に活かして“その後”に繋げている者が少なくない。

 加えて近年はリアルタイムでは観ていなかった視聴者がネットニュースでの盛り上がりから配信で観るという視聴スタイルもポピュラー。故に「酒のツマミ~」はラストの告知を含め、事務所が「もっとも出したい番組」の一つではなかったか。

 そんな番組が年内で終わってしまうのは本当に残念だし、局員以外のスタッフの中には急な話ゆえ路頭に迷ってしまう者が居ないとも限らない。

 もちろん千鳥がこうした事情を理解していないハズはない。どうか二人にはまた同じスタッフと面白い新番組を作ってほしいと心から願う。