“交際クラブ”で夫が浮気…別荘に海外旅行と幸せな家庭が一変、妻は女性に損害賠償請求 性交渉の違法性が争点に

「抗うつ剤の処方を受け、夫と子どもに遺書を作成した──」
2024年2月、夫の不貞行為を知り、妻は心身ともに崩れ落ちた。これまでは、子どもが休みの日には海外旅行や別荘に出掛け、夫からは高級ブランドのプレゼントを受け取ることもあった。育児に追われながらも、幸せに暮らしてきた日々の裏で、夫は“交際クラブ”を通じて複数の女性と関係を持っていた。夫の裏切りに衝撃を受けた妻は、浮気相手の女性を訴えるという行動に出た。

夫の裏切りを知りパニック…

原告である妻は2013年に夫と結婚。2年後には長男が、6年後の2019年には長女に恵まれた。

夫は平日に在宅している事が多く、子どもが休みの時には国内旅行に行ったり、別荘に滞在したほか、年に1度は海外旅行に行くなど、仲の良い家族だったという。

ただ、2人目の子のイヤイヤ期が重く、育児ノイローゼ気味になった。その時、夫は協力的ではなく、妻は不満を感じたという。

会話ができるまで長女が成長すると、その負担は軽減。妻は夫との関係を改善しようと、夫と一緒に妊娠前に計画していた旅行に行こうと準備を進めていた。

夫の裏切りを知ったのは、まさにその時だった。

2024年2月頃、夫が交際クラブで複数の女性と関係を持っていたことを知り、パニック状態に陥ったという。


“1回15万円”の関係

夫は密かに交際クラブに会員登録し、2022年9月に、交際クラブを通じて知り合った被告の女性とホテルで初めて性交渉を持った。

それから2024年2月までの約1年半、月1回以上の頻度で関係を続け、旅行にも出かけていた。夫は、会うたびに15万円を女性に渡していたという。

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妻が夫のLINEを見たところ、複数の女性と関係を持っていたが、その中でもこの女性が「もっとも期間が長く、会う頻度も多く、気に入って関係を持っていた」と理解しているという。

妻はこの女性に対して、夫との不貞行為に基づき慰謝料300万円、弁護士費用30万円の合わせて330万円を求める裁判を起こした。


既婚者と知っていたか

妻は、夫が被告の女性に「既婚者だ」と告げている事から、既婚者だと知っていたと主張。一方、被告の女性は「既婚者だ」と告げられていたが、それが事実かどうかは確かめなかったとした。

裁判所は、夫が被告の女性に、「妻に高級宝飾品ブランドのプレゼントをする」と話していたことから、「被告は夫の配偶者の貞操権を侵害することにつき、故意があったといえる」と判断。

妻の主張通り、「既婚者と認識していた」と認定した。