2年前、ススキノのホテルで男性が殺害され頭部を切断された事件。
起訴された親子3人のうち、一審で執行猶予付きの有罪判決を受けた父親の二審の裁判が始まった。
父親・修被告の控訴審が開始
11月4日の札幌高等裁判所の法廷。
田村修被告は出廷しないまま、二審の裁判が始まった。
2023年、ススキノのホテルで男性が殺害され、頭部を持ち去られた事件。
起訴されたのは親子3人だ。

娘の田村瑠奈被告が殺人などの罪、父の修被告と母の浩子被告が殺人や死体遺棄などのほう助の罪に問われている。
事件前、家族に起きていたのは、娘を最優先にする異様な関係だった。
「あんたもそのくそアマもどっちもよ熟女系の風俗にでも売り飛ばせばいい。とっとと売れやそのくそアマをよ」(瑠奈被告の当時の発言)
検察側は、これを瑠奈ファーストと呼び、そうした関係の中で事件が起きたと主張。
起訴状によりますと修被告は瑠奈被告に凶器を買い与えたほか瑠奈被告が持ち帰ってきた頭部を自宅に隠すことを容認。
さらに、瑠奈被告が頭部を損壊する様子をビデオで撮影し犯行を手助けしたとされている。
しかし、修被告は一審で犯行計画を知らなかったとした。

「私は事件が起きて娘の犯行を知った。(頭部を)隠そうと考えたことはなく何もできなかった。(ビデオ撮影は)直前まで何を撮影するかわからなかった」(修被告の法廷での発言)
そして、注目された一審の判決は「懲役1年4カ月、執行猶予4年」。

一審判決は覆るのか?
札幌地裁の渡辺史朗裁判長は「事前に殺害計画を明かされていたとは言えない」として執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
これに弁護側・検察側の双方が控訴。
一審判決から約8か月後の11月4日、控訴審の初公判が開かれた。
検察側・弁護側とも事実認定に誤りがあるとしたうえで検察側は事前に犯行計画を知っていたと主張。
弁護側は計画を知らなかったなどと無罪を主張した。
一方、修被告は出廷せず裁判はわずか10分足らずで即日結審した。
判決は2026年1月27日に言い渡される。

現在の裁判状況はどうなっているのか。
父親の修被告は一審では執行猶予付きの有罪判決。
11月4日から二審の裁判が始まった。
2026年の1月27日に判決が出る予定だ。
一方で母親の浩子被告。
一審では、執行猶予付きの有罪判決。
控訴し、二審が11月11日から始まる予定だ。
では、まだ始まっていない瑠奈被告の裁判は、どうなりそうなのか。
これだけ長引いている理由がなぜなのか。元検事の磯部弁護士に聞いた。
考えられる理由としては、事件の内容を踏まえて、現在の精神状態を慎重に確認しているところではないか。本人が意思疎通できないとしたら、周囲の人により話を聞く必要があるため、時間を要するのではないかと話している。
事件から2年以上経過したが、瑠奈被告の裁判は未だにめどが立っていない。
