フジ清水賢治社長、不正経費の取締役辞任に「痛恨」 ガイドライン厳格化に評価も

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フジ・メディア・ホールディングスと子会社のは7日、両社の安田美智代取締役が辞任したと発表。同日夕、社長が取材に応じて説明した。

の社長

安田氏は、今年3月に取締役、6月にフジHDの取締役に就任。9月中旬に一部不適切な経費精算の疑いが認められ、外部専門家や関係部局を入れて調査を行った結果、会食費用や手土産などの物品購入について事実と異なる経費精算を行っていた事例が複数確認された。

問題の経費精算は、2020年からの5年間で約60件、3月のフジ取締役就任後も数件確認された。金額で約100万円になるという。安田氏もこの事実を認め、返金の意向を示すとともに、取締役の辞任を申し出た。なお、本人は私的利用ではないと主張しているが、事実と異なる精算が問題となった。また、安田氏は経営企画担当のため、タレントや芸能事務所関係者との会食はないという。

なお、今回の事案を受け、全て取締役に調査を行ったが、同様の事案は確認されなかったとしている。安田氏の辞任後も、法令・定款に定める取締役の人数を満たしているため、直ちに新たな取締役の選任は行わない。

清水社長は、再生・改革に取り組むための新体制からの問題発覚に「極めて残念だと思っています」「痛恨のこと」とした上で、「一連の事案を受けた経費ガイドラインの厳格化、新しいガイドラインの策定、チェック体制の強化の過程の段階でこういうものが出てきたので、新しいシステムがある意味で機能したと考えています」と認識を示した。

今後、刑事告訴を行うかについては、「本人の協力の姿勢、返金が確実に行われるのかを見て、総合的に判断していくことになります」と意向を述べた。