児童買春などで教員免許2度失効も… 全国で“無免許勤務” ニセ免許の写しを使いまわしか 養子縁組で名字も変えた男の30年【福岡発】

ニセの教員免許状の写しを提出した疑いで再逮捕された補助教員の男が送検された。もともとは教員免許を持つ正規の教師だった男が、なぜ犯罪に手を染めることになったのか。関係者を取材した。


「免許状は自分で作った」と供述

2025年11月7日、検察に身柄が送られた中学校の補助教員、近藤正仁容疑者(66)。

この記事の画像(15枚)

福岡・篠栗町の人材派遣会社に2021年3月、偽造された教員免許状の写しを提出したとして偽造有印公文書行使の疑い疑いで再逮捕された。

容疑を認めた上で「免許状は自分で作った」と供述しているという。

この近藤容疑者、もともとは『古畑正仁』として教員免許を持っていた正真正銘の教師だった。

「真面目な人だったので…。学生は飲んだりして騒ぐじゃないですか。そういう時は一歩引いて、冷静に真面目にしているような。彼は、三浪でしたね」と話すのは、近藤容疑者の大学時代の同期の男性だ。

三浪の末、大学に進学した近藤容疑者は、1985年に教員免許を取得し、福岡市内の中学校に数学の教師として勤務していた。

当時の教え子は「すごく明るくて生徒思いだった、先生としては。部活は熱心に教えていました。自腹でピッチングマシンを買ったり、かなり熱心だったと思います」と話す。

野球部の顧問として熱心に指導していたという容疑者だが、教え子は近藤容疑者がクラスで見せた別の一面について語った。

「女好きというのはある。授業中に『〇〇ちゃん、好きな洋服買ってあげるからデート行こう』とか言っていた」というのだ。


児童買春などの疑いで逮捕・起訴

近藤容疑者は、2005年に児童買春などの疑いで逮捕、起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受けている。

福岡市教育委員会は近藤容疑者を懲戒処分にし、その時点で教員免許が失効。ところがその2年後、容疑者は失効した教員免許を使って山口市にある私立高校の教壇に立ったのだ。

近藤容疑者が山口で勤務していた時の教え子は「僕らも実際は数学の授業を(容疑者から)教わっている。でも(教える)資格がないわけじゃないですか?やっぱり許せない。僕ら生徒をだまして」と話す。

そして“あの性格”も変わらなかった。「(女子生徒に)頭ポンポンとか『かわいいね』とか。デレデレしながら言うんですよ。“セクハラ親父”のイメージしかない」(山口で勤務していた時の教え子)。


養子縁組で名字を変更し…

その後、近藤容疑者は山口県教育委員会から教員免許の再交付を受けるが、車の無免許運転で有罪判決を受け2度目の教員免許が失効した。

ところが、教員免許がないままに埼玉県内の中学校や群馬県内の小学校で『臨時教諭』として勤務していたのだ。

さらに養子縁組で名字を古畑から近藤に変えて、2021年から篠栗町の小学校で、2025年4月からは須恵町の中学校で勤めていた。

警察の調べに対し「学校教育に携わりたかった」と供述している近藤容疑者。警察は、偽造された教員免許を各地で使い回した疑いもあるとみて捜査を続けている。

(テレビ西日本)