オンライン会議中に顔の画像を保存され、気付かないうちにフェイクポルノをつくられた女性も…埼玉県の会社員らを書類送検

いわゆる「ディープフェイクポルノ」と呼ばれる、わいせつな動画をネット上に公開した疑いで会社員の男らが書類送検された。

わいせつ電磁的記録記録媒体陳列の疑いで書類送検されたのは、埼玉県の会社員、黒田蒼容疑者(28)と、栃木県の男子高校生(16)の2人。

2人はことし5月、インターネット上にわいせつな動画を1点公開した疑いが持たれている。


■女性59人の「ディープフェイクポルノ」を拡散か

ことし10月、既に逮捕されていた黒田容疑者が作成していたとみられるのが生成AIでつくられた、偽物のわいせつな動画などを意味する「ディープフェイクポルノ」。

黒田容疑者はインターネットのコミュニケーションツール上に作成していたアカウントで、実在する女性の画像をもとに生成AIでわいせつな動画を作成した疑いがもたれている。

また黒田容疑者は今回書類送検された男子高校生などから1件、数百円程度の価格でポルノ画像のAI生成での製造を請け負っていたとみられる。

(※アカウントは削除済)

京都府警サイバー捜査課によると、被害にあったのは、黒田容疑者の友人や会社の同僚などが含まれ、オンライン会議中に顔の画像を保存され、気付かないうちに「フェイクポルノ」をつくられる人もいたということだ。

黒田蒼容疑者
黒田蒼容疑者

この記事の画像(3枚)


■「被害者が感じる被害実態をとらえていない」と専門家

専門家は、被害の実態の把握や、対策が不十分だと指摘する。

【神奈川大法学部・上田正基准教授】「被害者が感じている被害実態をとらえているかというとそうではない。自分が偽であれ何であれ、(ディープフェイクなど)性的なコンテンツの中に埋め込まれるとか、性的な対象として扱われる法の規制は進んでいない」

警察の調べに対し、黒田容疑者と男子高校生は容疑を認めているという。

(関西テレビ「newsランナー」2025年11月10日放送)

神奈川大法学部・上田正基准教授
神奈川大法学部・上田正基准教授