
福岡県北九州市の特定危険指定暴力団工藤会トップで相殺の野村悟被告が所有していた土地を親族に信託し所有権を移転したのは強制執行逃れの可能性が高いとして、市民襲撃事件の被害者遺族が所有権移転の抹消を求める訴えを起こしました。
遺族の弁護団によりますと、工藤会が関与する市民襲撃事件をめぐっては野村被告を相手取り被害者遺族が起こした民事裁判で、野村被告に賠償を命じる判決が確定していますが、これまでに支払われていません。
一方で、野村被告は市内に所有していた土地を親族に信託し所有権を移転していました。
弁護団はこれが賠償を避けるための強制執行逃れの可能性が高いとして、建設会社会長射殺事件の遺族が野村被告の親族を相手取り、所有権移転の抹消を求める訴えを福岡地方裁判所に起こしました。
提訴は10月20日付です。
これに先立ち弁護団は、信託された土地のうち10筆(約1200平方メートル)について不動産処分禁止の仮処分命令を申し立て、福岡地裁小倉支部は5月に認める決定を出していました。
弁護団は土地の所有権を野村被告に戻して差し押さえ、賠償金の回収に充てたい考えです。