
映画「ダウントン・アビー/グランドフィナーレ」が、来年1月16日から全国公開されることが13日、分かった。同映画は「Downton Abbey:The Grand Finale」(原題)の邦題でポスターと予告も解禁された。
20世紀初頭のイギリス・ヨークシャーを舞台に、貴族クローリー家とその屋敷で働く使用人たちの人生を描くドラマシリーズ「ダウントン・アビー」。1912年のタイタニック号沈没から第1次世界大戦を経て、時代の変化と英国貴族たちのドラマを優雅に映し出してきた。
緻密な脚本、華麗な美術・衣装、昨年逝去したマギー・スミスをはじめ、イギリスを代表する俳優陣の名演が高く評価され、エミー賞・ゴールデングローブ賞など、多くの栄誉を獲得。2010年9月の放送開始以来2015年のシーズン6までの全52エピソードをもって幕を閉じた同シリーズは、2019年に劇場版として復活し、社会現象を巻き起こした。
15年にわたり世界200カ国以上で放送された英国ドラマの金字塔ともいえるシリーズ。今作の「ダウントン・アビー/グランドフィナーレ」は、世界的な大ヒットシリーズの映画第3弾。脚本は、シリーズの生みの親ジュリアン・フェローズ、監督は前作「ダウントン・アビー/新たなる時代へ」に続くサイモン・カーティス。ついに時代は1930年代に突入し、足を踏み入れた近代社会でクローリー家と使用人たちのドラマが描かれる。
ロイヤル・アスコット、チェルシー・フラワー・ショー、ヘンリー・レガッタが行われる社交界の真骨頂“ロンドン・シーズン”が舞台となる。贅(ぜい)を極めた映像に心酔する中、シリーズ最大のスキャンダルが暴かれ、ダウントン・アビー存続の危機が迫る最後の最後まで息もつけない展開となる。
さらに、2008年のTVシリーズの企画から「ダウントン・アビー」の制作チームを率いてきたプロデューサーのギャレス・ニーム氏によれば「先代伯爵夫人バイオレットの並外れた人生に美しい幕を引いた第2作で完結とせず、第3作では、他の登場人物たちの人生に深く踏み込み、次の世代へ『ダウントン』がどう受け継がれていくかを描いた」という。そして、バイオレットを演じたマギー・スミスが第2作と第3作の間に逝去したことで、特別な感傷のある作品として完成した。
ポスタービジュアルでは、夕日を背景に屹立(きつりつ)する荘厳なダウントン・アビーと、真っ赤なドレスをまとった長女メアリーを中心に、クローリー家と使用人たちが大集合。どこか感傷的な雰囲気を漂わせ「ついにお別れの時が参りました。共に過ごした日々を胸に、最後のひとときをご一緒ください。」のコピーとあわせ、まるで日本中のダウントニアン(「ダウントン・アビー」シリーズファンの呼称)へ別れを告げに集まったかのようだ。
同じく解禁された予告は、美しく着飾ったクローリー家がロイヤル・アスコット(イギリス王室が主催する競馬開催)の会場に現れるシーンから華々しくスタート。時代は1930年に突入しており、上流階級が集い贅を極めるこの季節、長女メアリーが真っ赤なドレスに身を包み舞踏会で踊っている。
しかし彼女の離婚スキャンダルが報じられ、会場は騒然。その場でメアリーたちは追いだされてしまう。「ダウントン・アビーの未来は、今やメアリーにかかっている」というグランサム伯爵の一言と、今は亡き先代伯爵夫人バイオレットの肖像。一族が時代の変化の中で、決断を下す時が迫っている-。「すべての思い出を胸に」というメッセージ、屋敷の壁面にキスを送る伯爵の姿には、ついに訪れるダウントン・アビーとの別れの瞬間を予感させる。