
2025年7月の参議院選挙でいわゆる「一票の格差」が最大で3倍を超えたのは憲法に違反するとして、弁護士グループが選挙の無効を求めた裁判で広島高裁岡山支部は11月13日、「違憲状態」と判断しました。
この裁判は、2025年7月の参院選で議員1人当たりの有権者数が最も少ない福井県と比べて全国で最大3.13倍、岡山県では最大2.47倍と一票の価値に格差があるのは憲法に違反するとして弁護士グループが選挙の無効を求めたものです。
13日の判決で広島高裁岡山支部の井上一成裁判長は「投票価値に格差があることは看過しがたい事態であって民主主義の正当性にも疑問を抱かせるもの」とし、「違憲状態と言わざるを得ない」としました。
一方で、「今回の選挙までに是正しなかったことは国会の裁量権を超えるとは判断できず、違憲ではない」として、選挙無効の訴えは棄却しました。原告側は上告する方針です。
(升永英俊弁護士)
「16の裁判所の中で少なくとも4つの判決は(選挙の)正当性に疑問があるとはっきり明文化されている。きょうの判決はそれに沿っているもの」
参院選の「一票の格差」を巡っては、全国の高裁と高裁支部で同じような訴えが16件起こされていて、広島高裁岡山支部の判決を含めて13日までに「合憲」が5件、「違憲状態」が9件となっています。