
歌舞伎俳優の中村獅童が14日、都内で、歌舞伎座の「十二月大歌舞伎(12月4~26日)の第一部「超歌舞伎 Powered by IOWN『世界花結詞』(せかいのはなむすぶことのは)」の取材会を行った。
超歌舞伎は古典歌舞伎と最新テクノロジーを融合させたもの。獅童はもちろん、バーチャルシンガーの初音ミク、また獅童の子供の中村陽喜、中村夏幹らも出演する。
歌舞伎にはどこか固いイメージが今も残るが、映画「国宝」の影響で若者の中でも歌舞伎ブームが発生している状況にある。自身も超歌舞伎などを通して多くの人々が歌舞伎に触れるきっかけを作っている獅童は「『国宝』の影響で若い方達が本当の歌舞伎を見に行ってみようっていう動きがあると思うけど、その中で一番言いたいのは」と前置きし「最初に難しいものを見てしまうと、なんか退屈だなとか、寝ちゃったとか。寝ちゃうのは別に構わないんですけど、それで歌舞伎=難しいってなっちゃうとすごく残念」と吐露。
その上で「今のところ僕が出てるものは全部面白い。まあ冗談ですけど」と笑顔でアピールしつつ「段々難しい物、一つ一つクリアしていくっていう見方がおすすめ」と助言。「庶民の芸能ということをもっと僕みたいな役者がアピールして行けたらいいなと思う」と力を込めた。
超歌舞伎には古典歌舞伎のエッセンスも分かりやすく入れているという。「超歌舞伎から見始めて他の古典を見た時にもしかしたら『あ、この場面、超歌舞伎で見たことあるな』とか、長いスパンで見ることができるのが歌舞伎」と、その連動性や相乗効果も力説。「長い目で歌舞伎を楽しんでいただけたら」と呼びかけていた。