伝説的英ロックボーカリストのデイヴィッド・カヴァデール(74)が14日(日本時間)、引退を発表した。
ホワイトスネイクの公式ホームページでは、これまで支えてくれたミュージシャン、クルー、ファン、家族らへの深い感謝を綴っている。
声明文の日本語訳は以下の通り。
「ロックの厚底靴を脱ぐ時」カヴァデールが綴った引退声明全文
◇
みなさん、ロックキッズたち、そして、蛇のブラザーたちへ。50年以上にわたる熱狂的な旅路を共に歩んだディープ・パープル、ホワイトスネイクらのバンド仲間、そしてジミー・ペイジとの特別なお知らせがある。
私には、ついにロックンロールの厚底靴とスキニージーンズを脱ぐ時が来た。このへんが潮時だ。
私はみんなを心から愛している。この熱狂的な旅路を支え、支援してくれた全ての人々に感謝する。ミュージシャン、クルー、ファン、家族――それは素晴らしい。
引退を楽しみ、みんながそれを理解してくれることを願う。改めて、心から愛しているよ。
さらばだ!
DC(デイヴィッド・カヴァデール)
◇
彼は併せて、自身のX(旧Twitter)でも、「きょう、みなさん驚くべき理解とエールに1,000回の感謝を贈りたい……私の胸の中は感謝にも満ちている。みなさんが計り知れないほど愛されていることを知ってほしい」と、引退に寄せた感謝の言葉を綴っている。
ディープパープルからホワイトスネイク、輝かしいキャリアの全貌
これまでに、レッドツェッペリンと並ぶハードロックの代表的バンド、ディープ・パープルで3代目ボーカリストを務め、自らホワイトスネイクを率いて活躍、レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジとのアルバム「カヴァデール・ペイジ」もリリースした。
2020年には、両側鼠径ヘルニアに手術のためにヨーロッパ・アメリカツアーを中止していた。
暑苦しくて、爆音ゴリゴリのハードロック、ヘヴィメタルのイメージとは一線を画したスタイリッシュでセクシーなボーカルには定評があった。1980年代にMTVの出現とともにメタルがメーンストリームから毛嫌いされたころも、MVで実際の恋人である美女を抱きながらマイクアクションを駆使して、渋い喉で歌いあげる姿は唯一無二で、ジャンルを超えてヘビーローテーションとなった。
■David Coverdale(デイヴィッド・カヴァデール) 1951年9月22日生まれ。イングランド・ヨークシャー出身。1973年、ディープ・パープルのボーカリスト募集広告に応募。オーディションでビートルズの「イエスタデイ」を歌い、リッチー・ブラックモアらに認められ合格。イアン・ギランの後任の3代目ボーカリストとなる。このときダイエットと美容整形を命じられる。1976年に脱退。77年、自ら「ホワイトスネイク」を結成。英国、日本で人気に火が付き、1987年のアルバム『白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス』全米でも大ヒットしてスーパーバンドとなる。1993年には元レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジと共に「カヴァデール・ペイジ」としてアルバムをリリースして話題に。
1981年にホワイトスネイクとして来日して以来、日本公演は多く、2016年には日本のメタル・フェス「LOUD PARK 16」にも登場した。
