
安倍元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)の裁判はきょう=18日、母親と妹の証人尋問が実施されました。
母親は退廷する際に、「てっちゃんごめんね」と話し、山上被告は涙をこらえるような様子が見られたほか、妹の証言に目元を抑えているようなしぐさもみられました。
裁判を傍聴している岩橋裕介記者の報告です。
■母親「てっちゃんごめんね」とぽつり 山上被告“涙こらえているように”
【岩橋裕介記者】
18日の裁判は3時間半あまりで終了しました。
山上被告は公判前、弁護側の関係者に「『兄の死に対する母の理解』が教団に恨みを募らせるきっかけとなった」と明かしていましたが、母親が兄の死について話した時も、これまでと同様に母親に目をやることはありませんでした。
しかし、母親が退廷する際、「徹也には本当に申し訳なかったと思っています」と話し、「てっちゃんごめんね」とぽつりと言った際には、山上被告は上をちらっと見上げ、涙をこらえているように見えました。
■妹の「徹也と2人で児童養護施設に」証言に“目元抑えるしぐさ”
【吉原キャスター】「きょう=18日の裁判では、被告の妹も出廷したわけですが、妹の証言を聞いているときの山上被告の様子は、どうでしたか?母親との違いは、ありましたか?」
【岩橋記者】
母親が証言に立った際はほぼ母親を見なかった、山上被告ですが、妹が入廷する際には、その方向を見つめ、視線をまっすぐ妹の方に向けていました。
妹が証言の中で母親の信仰に反対した祖父に「出ていけ」と追い出された時のことを思い出した際、「私と徹也の2人だけでもあのとき児童養護施設にでも行けばよかった。後悔している」と涙ながらに話していました。
その際の山上被告は、ずっと手元、あるいは机の方を見て、時折、目元を抑えるしぐさもみられました。
■なぜ旧統一教会や母でなく安倍元総理に…「しっかりと究明を」
【エッセイスト 犬山紙子さん】「妹さんの『生い立ちを語ることすらもつらくてできない』という話だったり、『あのとき児童養護施設に行けばよかった』っていう話だったり、福祉が何かできたのではないかということを思いました。
同じような事件は、絶対起こしてはならない。そしてそのためには同じようなつらい思いをする子供たちを作ることは駄目だとうところですよね」
【吉原キャスター】「怒りの矛先というのが旧統一教会や母親ではなく、なぜ安倍元総理に向かったのかがこれからポイントになります」
【エッセイスト 犬山紙子さん】「この先裁判の中で、語られてくると思いますが、でもそこは本当に切り分けなければいけないところだと思うんです。
殺されてしょうがないなんてことは絶対にないので、しっかりと究明されて欲しいですし、宗教に対してもメスが入って欲しいと思います」
あす19日も山上被告の妹が証言台に立つ予定で、何が語られるのか注目されます。
(関西テレビ「newsランナー」2025年11月18日放送)