【お宝トミカ発掘!】マニアが教える希少なトミカ「3つの特徴」と超レア・純金トミカの “衝撃価格”

あなたの実家や押し入れに眠るトミカ、実は「お宝」かも――?

今年(2025年)で誕生55周年を迎えた国民的ミニカー「トミカ」。1970年の発売以来、その圧倒的な種類と歴史から、今や大人のコレクションアイテムとして高い人気を誇っています。

コレクター垂涎の貴重なアイテムや価値の高いトミカの “見つけ方” 、そして幻の「純金トミカ」などについて、トミカ55周年記念ブック『トミカ 究極のコレクション 1970-2025』の編集者・市瀬義雄氏が、豊富な写真とともに詳しく解説します。

歴史のあるトミカには、お宝アイテムが充実

1970年発売当時のトミカのリーフレット。第1弾は6種類が発売された

今年2025年は、ミニカーブランドとして確固たる地位を築くトミカが誕生して55周年を迎えた年です。半世紀以上にわたって子供たちの定番玩具として親しまれてきたトミカは、1970年6車種のモデルから始まりました。

日本のモータリゼーションが始まって自家用車が特別ではなく身近な存在となり始めた頃に誕生したトミカは、手頃なサイズと価格で高い人気を得ました。

トミカが発売される前のミニカーは、ブリキ製で、サイズが大きなものが主流でした。やっと出始めたダイキャスト製(金型に溶かした金属を入れることで、大量生産する鋳造方式)の鑑賞にも耐える国産ミニカーは、子供が車両単体を手ころがしで遊ぶことを意識してか、やや大きめの1/30、1/40のスケールで作られていました。

1970年、約1/60サイズで発売されたトミカは、当時の国産ミニカーとしては大きなチャレンジであり画期的なものでした。そして、そのチャレンジは大きな成功を収め、現在までの55年間で約1200車種、累計販売7億台以上の商品に成長しました。

必見! 希少性の高いトミカの見分け方

現在も発売中のトミカですが、誕生以来55年もの時が過ぎていますので、特に希少性や人気が高いトミカというものがでてきます。他のコレクターアイテムと同様に、古いもの、生産台数が少ないもの、企業が自社販促用などのために製作依頼したいわゆる「特注トミカ」と呼ばれる非売品トミカや限定品トミカなどです。

それら人気があるトミカのごく一部を紹介します。ひょっとしたら、皆さんも小さい頃にノベルティで手に入れて遊んだものがあるかもしれませんね。

①パッケージで判別! 古いトミカ

まずは、古いトミカの見つけ方を紹介します。

トミカは発売当初から現在までのパッケージが変化しています。発売当初から1983年ごろまでは車両イラストバックが黒地のもの(通称黒箱)、加えて発売当初から1986年ごろまで発売された生産国国旗がプリントされた外国車シリーズ(通称青箱)、その後は現在も発売されている車両イラストバックが白地のもの(通称赤箱)となります。

車両イラストバックが黒地のもの(通称黒箱)
生産国国旗がプリントされた外国車シリーズ(通称青箱)

現在に続く赤箱トミカにも年代順があり、当初のものはトミカ白文字の下に日本製の文字が印刷されTOMYの文字が角丸で赤色、その後、同体裁で日本製の文字が取れたもの、そしてTOMYの文字が青色のものという現在に至ります。パッケージ変更時には新旧混在で販売されていました。

「日本製」の記載がある赤箱/トミカ番号58番「ニッサン セドリック パトロールカー」
「日本製」の記載がなく、赤文字で「TOMY」の記載がある赤箱/トミカ番号116番「スーパーアンビュランス」
「日本製」の記載がなく、青文字で「TOMY」の記載がある赤箱/トミカ番号108番「日野はしご付消防車(モリタ・スーパージャイロラダー)」

コレクターの間では生産された順番の黒箱>青箱>日本製記載の赤箱>赤文字TOMYの赤箱>青文字TOMYの赤箱の順で人気があります。もちろん生産台数の多寡も人気に影響しますので、これはあくまで大まかなくくりとしての人気順です。

②生産台数が少ない “幻の香港製トミカ”

次に、希少性の高い生産台数が少ないものの見つけ方です。

代表的(一般販売トミカとして)なものとしてあげられるのが「ホンコントミカ」と呼ばれる香港製トミカです。

発売当初、生産が追いつかず1971年から約6車種が香港で生産されました。その後、香港での生産が中止されたことで、希少で貴重なトミカとなりました。
特に有名なのが、1972年発売トミカ番号30番「コルトギャランGTO」。

希少な「香港製トミカ」/1972年発売トミカ番号30番「コルトギャランGTO」

このほかには通常品で色違いの小ロットのものでトミカ番号32番「トヨタニュークラウン」の白色などがあります。

トミカ番号32番「トヨタニュークラウン」白色

③「特注・非売品」トミカ の世界

最後に非売品(特注トミカ)、限定販売品についてです。

トミカは発売初期の頃から企業のノベルティトミカを受注していました。発注先はタクシー会社、デパート、放送局など、配布用非売品のほかイベントなどでの限定販売品など多種多様でした。

現在入手しにくい人気特注トミカとしては「トヨタニュークラウンタクシー」(日本交通特注トミカ)。

「トヨタニュークラウンタクシー」(日本交通特注トミカ)

「スカイライン 2000GT」(安田火災特注トミカ)、「ニッサングロリアバン」(東京ガス荏原営業所特注トミカ)などがあります。

「スカイライン 2000GT」(安田火災特注トミカ)
「ニッサングロリアバン」(東京ガス荏原営業所特注トミカ)

衝撃価格100万円! “純金トミカ”

そして、限定品トミカとして特に有名なものに2000年発売の「純金トミカ」があります。

2000年発売「純金トミカ」
2000年発売「純金トミカ」のパッケージ

金の価格は現在(2025年10月)1グラム2万円を超えていますが、この「純金トミカ」が販売された当時は1グラム約1000円でした。

特製化粧箱入りでトミカ本体と台座などを含め純金は約300グラム、価格は100万円での販売でした。販売台数は限定100台、純金の価格約30万円トミカとしての化粧箱を含めたプレミアム価格が70万円というものでした。現在作製されたら、金の価格だけで600万円を超える計算になる高額品です。

プラチナ製・漆塗り…貴重すぎる非売品トミカ

最後に、購入は不可能ですが、貴重なトミカを紹介します。

タカラトミーが2010年トミカ誕生40周年の記念にプラチナトミカ「日産 フェアレディZ 432」。漆塗りトミカ「日産 フェアレディZ(Z34)」「日産 フェアレディZ(Z432)」が製作されています。

プラチナトミカはパッケージまでプラチナ製で通常の「トミカ」パッケージの約35倍もの重量がありました。この貴重なプラチナ・漆塗りトミカは、トミカのイベント会場などで展示が行われることがありますので実物を見ることは可能ではないかと思います。

プラチナトミカ「日産 フェアレディZ 432」
漆塗りトミカ「日産 フェアレディZ(Z34)」「日産 フェアレディZ(Z432)」

車に興味がある子供であったならば、トミカを一度は手にして遊んだ記憶があるかと思います。移り変わりの激しい幼児玩具の中で常に愛され続け、長いようで短かった55年もの時が過ぎてゆきました。

トミカはこれからも男児玩具として、大人のコレクターズアイテムとして時を重ねていくのでしょう。

本記事の内容は市瀬義雄氏の独自取材によるものです

『トミカ 究極のコレクション 1970-2025』
《1970年に発売された「トミカ」は、2025年で55周年。これまでに発売された1200種を超えるトミカを掲載。画像は定番の斜め前のカットのほか、本誌オリジナル画像として、斜め後ろからの画像も掲載。また、トミカそれぞれのパッケージ(箱)も掲載。究極のコレクションを堪能できる1冊です。》