東京湾近くの川が“違法船の墓場”状態に…不法係留の実態 洪水被害につながる恐れや火災の不安も

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東京湾近くの旧江戸川が、まるで“違法船の墓場”と化しています。東京都と千葉県の境に広がるこの水域には、放置された船が無数に漂い、沈没した船やゴミが詰まった船も確認されています。これらの船は、無許可で係留されており、地域住民にとっては深刻な危険をもたらしています。

現場を取材した関東小型安全協会の江野本茂理事は、草が生えた船や泥に埋まった船を指摘し、放置された船の増加が水上の駐車違反を引き起こしていると警鐘を鳴らしています。特に、約20年以上も船舶検査が行われていない船が存在し、無法地帯とも言える状況が続いています。

さらに、この問題は洪水や火災のリスクを高めています。違法に打ち込まれた木や橋が川底に堆積し、水の流れを妨げ、洪水被害の原因になる恐れがあります。また、放置された船が流されることで、さらなる二次災害の危険性も指摘されています。昨年11月には沖縄県で放置船による火災が発生しており、燃料や油を大量に積んだ船が連鎖的に燃え上がる可能性もあります。

千葉県南土木事務所は、所有者不明の船について追跡調査を行い、所有者に対して移動や撤去を促す文書を送付する方針を示しています。しかし、撤去は基本的に所有者本人の責任であるため、早急な対応が求められています。この危機的状況を放置することは、地域住民にとって耐え難い恐怖をもたらすでしょう。