
野次馬が思わず「うまいな〜」
10月下旬のある雨降りの夜、東京・新宿三丁目の歩道でドラマのロケが行われていた。スタッフが持つ大きな傘の下で撮影準備が整うのを待っていたのは麻生久美子(47)だ。
「『ぼくたちん家』(日本テレビ系)のロケですね。麻生は白鳥玉季(15)扮する中学生・楠ほたるの母親役。“わけあって会社のカネを横領し、逃亡中”という謎多き母を演じています」(テレビ誌ライター)
麻生といえば『時効警察』シリーズ(テレビ朝日系)や、『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』シリーズ(NHK総合)などで、コメディエンヌとしての才能が高く評価された。昨年後期の連続テレビ小説『おむすび』では、橋本環奈(26)演じるヒロイン・米田結の母親・米田愛子を好演している。
「愛子は、ギャルの先駆けのような十代を送り、家出して聖人(北村有起哉・51)と出会って結婚。娘を育て上げた後は絵の才能を生かしてブログを始め、農家になる――という、これまでの朝ドラにはなかった特異な母親役でしたが、麻生は見事に演じ切った。コメディもシリアスもこなす演技力の高さが彼女の強みです」(前出・テレビ誌ライター)
この日の麻生は役作りなのか、終始緊張した面持ち。スタートの声がかかると、雨の中、どこか憂いを帯びた表情を浮かべて歩き始めた。歩道の反対側から撮影の様子を見物していた一人からは「うまいな〜」とため息が漏れた。
麻生は、今役を演じるにあたり、
〈今作品ほど問題を抱えているといいますか、問題を起こしてしまった役ははじめてなので、今からどのように演じようかと悩みつつも楽しみにしています〉(日本テレビ番組公式HP)
と語っている。
ドラマ自体は及川光博(56)、手越祐也(37)ら主要キャスト3人が織りなすコメディだが、そこにどう麻生がからんで化学反応を起こすのかに注目したい。


