中森明菜が“少女A”で胸に秘めた“松田聖子への密かな憧れ”「デビュー当時は聖子ちゃんカット」「赤いスイートピーを『歌えません』と拒んだことも…」

Thumbnail

「髪型を少し真似してたような……。短めでカールの」

 今年還暦を迎えた。その“聖子ちゃんカット”時代を明かすのは、明菜の実兄だ。

聖子愛を爆発させた

 ◆◆◆

トリビュートアルバムで「赤いスイートピー」を熱唱

 昨年4月、ユーチューブでセルフカヴァーの歌唱動画を公開し、復活の狼煙を上げた明菜。今年4月には大分のフェスに参加し、小室哲哉と共演。5月1日には渋谷で開催された自身のトリビュートコンサートにサプライズで姿を見せた。

「コンサートの最後にミッツ・マングローブさんが『明菜さんに呼びかけましょう』と煽って観客が『アキナ~』と叫ぶと、3階席に青いニットの明菜さんがいて会場は大騒ぎに。他の出演者にも本人の来場は知らされていませんでした。終演後はステージ裏に来て、出演者たちと談笑して記念写真を撮るなど、和やかな雰囲気でした」(スタッフ)

 11月5日に発売されたのデビュー45周年トリビュートアルバムでは、明菜が「赤いスイートピー」を“熱唱”した。

「少し真似したかったんだと思うんです」

「昔、カラオケに行った時に聖子ちゃんの初期の歌を2曲ほど歌っていましたね」

 と明菜の実兄は語る。そして冒頭のように、デビュー当時の髪型にまつわる話も教えてくれた。

「事務所からは違う髪型にするように言われていたみたいだけど、少し真似したかったんだと思うんです。でも『少女A』の頃から聖子ちゃんとはまるっきり違う方向に路線を決められて。

 最初は穏やかな曲とイケイケの曲を交互で出していた感じで、『甘い感じの曲だけが良い』みたいなことを言っていたんですけどね。聖子ちゃんぽいのが良かったんじゃないですかね」

 昨年12月、父の明男氏が死去。実兄によれば、家族と絶縁状態の明菜からは代理人を通じて葬儀に出ない旨が伝えられた。明菜が育った清瀬市の実家は、父の死で住む人がいなくなった。

「片付けが終わったら、売却となりそうです」(同前)

赤いスイートピーを「歌えません」と拒んだ理由

 これまで明菜が聖子の曲をカヴァーしたのは、02年のカヴァーアルバム「ZERO
album~歌姫2」に収録の「瑠璃色の地球」だけ。このアルバムのスーパーバイザーで同曲の作曲者でもある川原伸司氏が語る。

「最初は『野ばらのエチュード』を歌おうとしていたんだけど、歌詞に〈20才のエチュード〉というのがあって、既に30代だったから、僕がじゃあ『赤いスイートピー』はどう?と言ったかな。彼女は『そんな有名な曲、私が歌っちゃいけないと思います』と言っていた。憧れている先輩の代表曲を歌うなんておこがましいと。

 それで、『ファンとして“瑠璃色の地球”を歌いたい』って。当時はシングルカットもされてないマニアックな楽曲だった。僕が作った曲だから好きにやればって感じであえてレコーディングには立ち会わなかったんですよ。全然別の次元の歌になっていて、すごく面白かったけどね」

「最近のセルフプロデュースはうまくいってない」

 年末はディナーショーが予定されているが、一方で紅白出場の可能性も取り沙汰されている。

「最近のセルフプロデュースはうまくいってないと思う。大人になったからジャジーに歌う、なんて誰でも考えそうなことだもん。

 彼女がよく言っていた『心地よい裏切り』を演出できるなら、出るべきだと思う。でも、ただ昔の歌を歌って『お互い年を取ったね』みたいな感じで出てくるだけなら、やめたほうがいい」(同前)

 明菜のDESIREはどこに向かうのか。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年10月30日・11月6日号)