新橋に居酒屋「東スポ酒場」がオープン!話題のメニューと店の魅力

「東スポ酒場」の女将、ちぃさんおすすめの餃子だ。

「東スポだってさ」「へぇー東スポって酒場もやってるんだ!」

“サラリーマンの聖地”新橋のランドマーク「ニュー新橋ビル」でこんな会話が聞こえてきた――。

SL広場脇の古いビルの地下1階は、居酒屋や一杯飲み屋がひしめく飲食店街。その一角に「東スポ酒場」というどでかい暖簾が出現。競馬や芸能、プロレス記事に定評のある「東京スポーツ」が、10月29日居酒屋をオープンさせたのだ。

東京スポーツが居酒屋事業に挑戦した理由とは

しかし「マドンナ痔だった?」をとくダネにするのはまだしも、「なぜ新橋に居酒屋を出店?」と不思議に思うのも無理はない。

「ネットで記事を読むのが一般化し、キオスク撤退など売り場が減少するなかスポーツ紙・夕刊紙は苦戦しています。歴史ある夕刊フジが今年休刊したのは衝撃でしたが、東スポや日刊ゲンダイも輸送コストをシェアしていたため経営ダメージを受けた。読売や朝日が系列新聞をグループ化し不動産を所有しているのに比べて、東スポは独立資本で不動産もない。そこで必死に新規事業にチャレンジしているのです」(新聞社幹部)

2021年9月に東スポは餃子を発売、テレビでも取り上げら嚆矢大きな話題に。翌年、夕刊フジも生姜小籠包を販売するなど、新聞社が食品・飲食事業を手掛ける嚆矢となった。

「おかげさまでニンニクマシマシ餃子はヒットし、その後も唐揚げやポテトチップスを出しました。一日の仕事を終えた人が東スポを読みながら、ビールや缶酎ハイを手に、おつまみを楽しんでもらうという発想。なので飲食店をやるなら絶対に新橋と決めていたのですが、たまたま居抜きの物件が飛び込んできたので即決しました。ここが成功すれば、将来のフランチャイズ化も視野に入れています」(東スポ・平鍋幸治社長)

暖簾が目を引く「東スポ酒場」

東スポ酒場は餃子・唐揚げが名物!レモンサワーも人気

赤い「東スポ」の文字が浮き上がる暖簾の先にはL字型の立ち飲みカウンター。わずか10席だが、連日サラリーマンを中心に賑わっている。売りは先述した餃子や唐揚げなどのラインナップ。アルコール度数13%の「東スポレモンサワー」も見逃せない。昭和レトロなビルの雰囲気に溶け込んでいて、狭くても妙に落ち着く場所だ。美人女将はベテランの「ちぃさん」で、ワンオペでてきぱきと料理を作り接客してくれる。

筆者が実食して「これはうまい」と唸ったのは豚骨スープで炊いた「水餃子」。ニンニクが効いていて活力が出そうだ。そして「ちぃさん」オススメの「ひのき唐揚げ」は噛むと、じんわり濃い旨味が口に広がる絶品だった。メニューに気取りはまったくないが、すべてしっくりくる味である。

「高市さんもそうだけど、今日もなんだかんだありましたねえ」

肩が触れ合う見知らぬ人と、東スポの話題で盛り上がり、気がつけば盃を交わしていた。居酒屋も新聞も、とにかく元気であってほしいと願うのである。