福岡県福津市の商業施設で9日、ナイフを持っていた無職の男が逮捕された事件をめぐり、警察が男の身柄を確保する際、拳銃を構える緊迫した事態に至っていたことがその後の取材でわかった。
商業施設で刃渡り約20センチのナイフを…
銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕された北九州市八幡西区の無職、藤林和宏容疑者(20)は10日、銃刀法違反に加え殺人予備と公務執行妨害の疑いで身柄を検察に送られた。
事件があったのは9日午後5時半ごろ。
藤林容疑者は福津市の「イオンモール福津」内で刃渡り約20センチのナイフを所持した疑いで現行犯逮捕された。

「偽名を使って予約してきた」
事件の前日に容疑者の元交際相手の女性から「藤林容疑者が偽名を使って店に予約をしてきた」「職場に来そうだ」といった切実な相談が警察に寄せられたため、当日、警察官2人が現場で警戒に当たっていた。

大声で「バッグの中に爆弾がある」
そして予約時間に商業施設内の店舗に姿を現した藤林容疑者。
警察官が声をかけると突然「バッグの中に爆弾がある。押すぞ」などと大声を上げてナイフを取り出したため、警察官が取り押さえた。

警察官2人が拳銃向ける
TNCの取材に対し、現場で目撃した人はその時の様子を「長い刃物を持って大声出して叫んでる男の人がいて、とにかく大きい声で叫んでいた。警察官に『口の利き方を考えろや』みたいなことを大きい声で言っていた」と語った。
そしてこの際、藤林被疑者が抵抗する姿勢を見せ、周りに危害を加える恐れがあったとして、警察官2人が容疑者に拳銃を向けていたことが新たにわかった。
発砲はしていない。
TNCの取材に対し警察は「拳銃を取り出したことは適正であったと考える」とコメントしている。

ほかにもナイフ2本を隠し持つ
藤林容疑者は当時、ナイフをほかにも黒いショルダーバッグの中とズボンの左ポケットに1本ずつ隠し持っていたという。
さらに元交際相手の女性が藤林容疑者との金銭トラブルについて警察に相談していたことも新たにわかった。
逮捕後の調べに対し藤林容疑者は「ナイフを持っていたことは間違いありません」と容疑を認めていて、警察は犯行に至った動機などをさらに詳しく調べている。
