
日本テレビのスポーツ実況から情報、報道、バラエティまでアナウンサーとして数多くの番組で圧倒的な実力を発揮。近年は部次長として管理職も務めていた菅谷大介さんが8日、消化管からの出血により亡くなっていたことが10日にわかり、夕方の「news every.」、夜の「news zero」、翌11日早朝の「Oha!4 NEWS LIVE」、「ZIP!」、そして「DayDay.」の5番組が菅谷アナを悼んだ。
森圭介アナ、水卜麻美アナ、黒田みゆアナら多くの後輩らがこぼれそうな涙をこらえながら懸命に伝えていたのは、アナウンス室で顔を合わせたときや仕事に関するメールのやりとりの中に、必ず労いの言葉や、担当した番組の感想を伝えてくれたことへの感謝だった。
男性アナの多くは、菅谷アナが真摯に取り組んできたスポーツ実況のVTRに様々な想いを巡らせたのだろう。安村直樹アナは堪えきれずに次のニュース読みが完全に涙声になってしまった。
アスリートやタレント、かつての同僚らもSNSで菅谷アナを追悼。その中に「恩人」という言葉を複数見かけた。共演者のみならず、裏方にまでそのように言われ、慕われ、愛された菅谷アナ。3期上だが同い年の藤井貴彦アナと嵐の櫻井翔が長尺で悼んだ「~ZERO」のエンディングで、RADWIMPSの「ピアフ」の歌詞「君に出逢えたことと」に合わせて新人時代と近年の菅谷アナの笑顔を映し出したスタッフの想いも伝わってきた。
その「~ZERO」のVTRでキャスターとして菅谷アナと並んでいた櫻井が思い出に挙げたのが深夜番組で嵐のメンバーと取り組んだエアギターについてだったことには意外に思うと同時に、バラエティ班として誇らしい気持ちになった。常に全力で真面目に取り組むからこそ数々の名場面と爆笑を生むも、「今の大丈夫でしたか?」と周囲に確認していた菅谷アナ。その遠慮がちでチャーミングな笑顔が忘れられない。
ごくごく一部だが、自局のアナの訃報を長尺で取り上げた日テレに対する批判をXで目にした。
だが、生涯現役アナとして第一線で活躍した菅谷アナの訃報はTBSの「THE TIME,」でも扱われ、望月理恵が後輩想いだった素顔を紹介。「DayDay.」ではNHK出身の武田真一アナが、闘病を公表してからの菅谷アナの姿を「お手本」という言葉で称えていた。
記憶にも記録にも残る名アナウンサー、菅谷大介さんは多くの人々の心の中で生き続けるだろう。どうか安らかに。合掌。