
思い切った決断はなされるのか
国民的女優・について、いまだ静まり返ったままだ。
「厚生労働省麻薬取締部が8月下旬、都内の自宅を家宅捜索した」と報じられてから1ヵ月以上、本人は依然として公の場に姿を見せず、コメントも出していない。事件の続報も、捜査当局からの発表もない。時間だけが経過している。
知人の芸能カメラマンに聞くと、すでに関係先の張り込みから引き上げており、追跡取材に熱が入った様子もなかった。
「米倉さんに何か容疑がかけられている可能性は極めて低いですからね。家宅捜索の直後、一部の仕事をキャンセルしながらも、ヨーロッパ方面へ渡航していました。出入国の制限がかかっていなかったことから、捜査対象ではなく、関係先の捜査だったのではないでしょうか。
家宅捜索では複数の証拠品が押収されたと言われている。その調査が慎重に進められている間は黙っているほうがいいのも確か。同居していたアルゼンチン人ダンサーの男性が、母国に戻ったまま消息不明になっていることは無視できませんが…」
なんにせよ、テレビ界で米倉不在の影響は大きく、テレビ朝日では亡くなった西田敏行さんの追悼企画に米倉の出演を想定していたが、計画は完全に白紙となったという。似た話は、他局の関係者も語っている。
9月以降、米倉は予定されていた複数のイベントを欠席。理由は「体調不良」と説明されているが、実際に「心労による休養」でもおかしくない状況ではあるという。
「米倉さんがかつて所属したオスカープロモーションでは、米倉と親しい人物が本人に無期限休養を提案しているといいます。
米倉さんが精神的に一番つらいのは、関係各所に迷惑をかけてしまったことだと言っているそうです。自宅を捜査されたことや、恋人が戻らないショックよりも、そのことで憔悴している。その精神面のためにも、一度すべてを止めて心を休めたほうがいいというのは良いアドバイスだと思います」(キー局関係者)
すでにオスカーを退社している手前、その提案を強く勧めることはできないようだが、この「無期限休養」という選択は、実質的には引退勧告も同然で、重い決断だ。
「一度休んでしまえば、スポンサーや制作サイドも次の企画を立てづらくなる。復帰のタイミングを失えば、価値も少しずつ下がっていく。米倉さんは50歳で年齢的にも長いブランクは厳しい。女優という職業は、どんな実力者でも時の流れと無縁ではいられません。久々にカメラの前に立ったとき、見た目の変化が大きいと、これまで通りの役柄で出すというわけにはいかなくなる。表舞台を離れるほど、業界の流れは変わっていきます。過酷な芸能界の性ですね」(同関係者)
強い女性像から方向転換
米倉や芸能界を熟知した人物が、そうしたリスクを知り尽くした上で、それでも米倉に休養を勧めたというのであれば、「復帰の難しさ」よりも、彼女の心身を本当に案じているということでもある。
「ずっと第一線を走ってきた米倉さんへの敬意と、また笑顔を取り戻してほしいという願いなのでしょう。いま必要なのは会見でも声明でもなく、静かに心を立て直す時間。決して非情なアドバイスでもありません」
米倉はこれまで“正義感の強い女性”を数多く演じてきた。『ドクター?』の大門未知子をはじめ、社会の理不尽に真正面から立ち向かう役柄を象徴する存在として、多くの人に「強い女性像」を見せてきた。
その米倉が、あえて歩みを止めるという選択をするなら、それはこれまでとは違う形の女優像に方向転換するための休養になるかもしれない。必ずしもネガティブな話ではないだろう。
一方、これとは逆で、「米倉さんは近いうち、必ず復帰する」と断言するテレビプロデューサーもいる。
「米倉さんは精神的に強いですから。昔、一緒に仕事したとき、私生活のトラブルがあって週刊誌でも騒がれて、それが体調にも影響したことがあったんですよ。さすがに休んだほうがいいって事務所も現場もみんな収録の延期を勧めたんですが、『私、落ち込みやすいんですけど、立ち直りも早いんです』って笑って予定通り続けたことがあったんです。彼女の強さが現場を救ったんですよ。役柄だけでなく、米倉さんは本当に強いんです。環境が整えば必ず戻ってくると思います」
もちろん、そのシナリオは誰もが望んでいるもので「沈黙」が終わりのサインではなく、再生への助走だと信じたいところだ。
【もっと読む】『1ヵ月前からは仕事を受けていなかった…業界関係者が懸念していた「ダメンズウォーカー」の一面』