
騒動から約2ヶ月が経過
「2度と行きません」──埼玉県内に店を構える、ラーメン店が、SNSを揺るがす大きな物議を醸したのは、今年9月中旬のことである。
発端は、とあるX(旧Twitter)アカウントの投稿だった。《マジで吐きそうなくらいショックなことあったからちょっと愚痴らせて》という書き出しで、同店でのトラブルが詳細に綴られた。
投稿によれば、注文したラーメンのトッピングとは違うものが入った状態で提供されたため、作り直しを依頼した際の店主とのやりとりのなかで、トラブルに発展したようだ。
〈もう二度と行かねえ〉という言葉で締めくくられたこの投稿は瞬く間に拡散され、一時期は5900万を超えるインプレッションを記録。これをきっかけに、他のユーザーからも過去の同店の接客や、店内の汚れなどに対する不満の声が噴出した。

店の外には「お願い」と題した張り紙が
「NEWSポストセブン」は当時、投稿を行なった男性A氏を取材。A氏がコール(注文)していなかった苦手な具材がトッピングされていたことをきっかけに、店主から作り直しか返金を提案され、その対応をめぐりトラブルになっていたようだ。当時、A氏は返金を要求したときの様子について以下のように語っていた。
「店主の態度が、『もう手つけただろ』『返さねえよ』『もう帰れ』みたいな感じに急変しまして。返金もされず、ラーメンを食べずに店を出て、近くの交番に行きました。自分でも対応は難しいことはわかっていましたが、話だけ聞いていただきました。私はもう2度と行きません」(A氏)
あれから人気ラーメン店は…
あの騒動から約2ヶ月。同店は現在、Xを頻繁に更新し、ネット上でたびたび話題になっている。11月2日に投稿された、
《皆様にご指摘いただいて朝から掃除しました(中略)明日から頑張ってまた営業しよう》
という投稿は、250万超えのインプレッションを記録。店主はどのような心境でXを更新し、店に立ち続けているのか。NEWSポストセブン取材班は店主を直撃した。
「あれから、結構いろいろなところを掃除しました。半日以上かけて丁寧にやりましたよ。やろうやろうとは思っていました」
そして、話題のX更新については、意外な目的を口にした。

太麺と乳化されたスープが人気だ
「いろいろと投稿しているのも、(店のある)地元に人を呼びたいからなんです。お客が増えたら良いとか、そういう私利私欲はいっさいなくて。
地元の街が寂しいので、注目が集まって、人が来てくれたらと思って投稿を続けています」
騒動による影響はあったのだろうか。
「(客足は)変わらないですよ。一瞬は“賑やかし”みたいのは増えましたけど。でも、その中でまた通ってくれる客もいます。常連さんが来なくなったりはしてません」
投稿者A氏への「本音」
一連の騒動の発端となった投稿者A氏に対しては、今どのような気持ちを抱いているのだろうか。
「もちろん彼がやっていることに理解がないわけではないです。自分も嫌なことをされたときに、何度もネットにさらしてやろうって思いましたから。今はもう若くはないから、そういうふうには思わないですね……」
以前と変わらず寡黙な店主の言葉には、地元を盛り上げたいという熱い思いとやるせない複雑さが垣間見えた──。