
国仲涼子が語る“46歳の現在地”とは
NHK朝の連続テレビ小説『ちゅらさん』(2001年)のヒロイン“えりぃ”に抜擢されて、国民的女優となった国仲涼子(46)。出産・子育てがあって仕事を減らしていたが、昨年、NHK大河ドラマ『光る君へ』に紫式部の母役で出演し、本格的に女優業に復帰した。同作にまつわる思いがけない再会、年の重ね方などについて語った。
『ちゅらさん』の縁で大河ドラマ出演の夢を叶える
「当時の『ちゅらさん』のスタッフさんが、“自分が担当を務める『光る君へ』に出演してほしい”と連絡をくださったんです。お互い若い頃にご一緒し、20年以上も前のご縁で声をかけてくださったことが本当に嬉しかった。おかげで、いつか大河ドラマに出演したいと思い描いていた夢も叶いました」
『光る君へ』の撮影現場では、えりぃの祖母を演じたおばぁ(故・平良とみさん)の思い出話などで朝ドラ時代を振り返るひとときもあったという。さらに『ちゅらさん』ではこんな縁もあったと国仲が振り返る。
「えりぃの母役を演じた田中好子さんに高田川部屋へ連れて行っていただいて、皆さんとちゃんこを食べたり、お話をするようになって。誘われて国技館で生の取組を観たら、お相撲にドはまりしてしまったんです。推し活も20年以上になるので、うちわや座布団、湯呑、お皿など、相当な数のグッズが集まりました。お皿などは自宅でも使っていますが、とても置ききれなくて、沖縄の実家がコレクションルームになっています」

結婚して二児の母となり育児中心に過ごしてきたが、昨年に本格復帰
そうして“スー女”となった国仲は今年、大相撲の東十両四枚目の輝関(高田川部屋)の結婚式に参列したことでも話題になった。現在は二児の母となり、小学生の息子たちと部屋へ通い、相撲観戦を楽しんでいる。
「男の子の兄弟で、ふたりとも大の相撲好き。力士の皆さんの名前をたくさん憶えていますし、取組で気になる勝ち方をした力士がいたら、部屋へ行った時に、親方にあれこれ質問してますよ(笑)」
子供たちの将来の夢について尋ねると、母親としての顔をのぞかせた。
「下の子は餃子が好物で、餃子屋さんになりたいと言っていたことがありますね(笑)。上の子はテレビを見て芸能界にちょっと興味を持った感じだったので、“やってみてもいいけれど、お母さんたちの名前は絶対に言わないでね”と伝えておきました。“自分の実力だけで勝負しないと、それはずるじゃない?”って。コロコロ変わるので、まだこれという夢は見つかっていないんじゃないかな」

母として、女優として、国仲は今、毎日をはずむ気持ちで楽しんでいる
老けて見えようが、幸せだったらそれでいい
子育てを中心に生活してきたが、息子たちが小学生になったことで、昨年から仕事に本格復帰。放送中の『終幕のロンド ―もう二度と、会えないあなたに―』(カンテレ・フジテレビ系)でもまた、先輩女優との心に残る出会いがあったと語る。
「制作発表でお会いした、風吹ジュンさんの髪がつやつやと美しくて。『どうしてこんなにきれいなんですか。私もそんなツヤが欲しいです』とお話していたんです。そうしたら数日後に美容室から写メが届いて、おすすめのシャンプーを教えてくださった。本当に素敵な気遣いの方で、こんなふうに年を重ねられたらいいなと憧れます」
46歳の現在地をどう捉えているのか。
「今の時代は、久々にテレビに出たら“変わっていない”“少し老けた”など、様々な声が届きますが、私は気にしません。どんなに老けて見えたとしても、自分が幸せだったら、別にいいなと思うんです。しわが増えたところで、“それは増えますよね。子育て頑張ってるし”って(笑)。とはいえ、20代、30代はそんなふうにポジティブには考えられないほど、いっぱい、いっぱいでした。肩ひじを張らずに自分を肯定できるようになったのが、50代へ向かう、40代の今なんだろうなと実感しています」
年齢を重ねて、しなやかに生きられるようになってきたと語る。沖縄の方言の“ちゅらさん(美しい人)”は、内面の美しさも意味している。自分をちゃんと持っている人――。それが国仲の考える、美しい人だという。
<プロフィール>国仲涼子(くになか・りょうこ)/1979年生まれ、沖縄県出身。99年に女優デビュー。2001年よりNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』でヒロインを演じて、国民的女優に。同作で第39回ゴールデン・アロー賞「放送新人賞」、第26回エランドール賞「新人賞」受賞。放送中のドラマ『終幕のロンド―もう二度と、会えないあなたに―』(カンテレ・フジテレビ系)に出演している
写真は「WebLEON 美しい人」(主婦と生活社)より
撮影/野口貴司
取材・文/渡部美也
プロデュース/Kaori Oguri衣装/ハルノブムラタ、マリア ブラック、デターム、トーカティブ