
福岡県田川市の松原保育園で園児への虐待行為などが相次ぎ、元保育士の女が逮捕された事件で、園を運営する社会福祉法人が県と市に改善報告書を提出しました。
◆記者リポート(飯塚警察署)
「午後4時です。中村容疑者を乗せた車が出てきました。フードを被っていて表情を確認することはできません、これから身柄が検察庁へと送られます」
田川市の松原保育園に務めていた元保育士の中村麗奈容疑者(25)は、今年7月から8月にかけて、松原保育園で園児に対し髪の毛を引っ張るなどの暴行を加えたほか、頭や顔を殴ってケガをさせた疑いで、19日に逮捕されました。
松原保育園をめぐっては、中村容疑者を含む14人の保育士のうち10人が園児に対して身体的な虐待行為などを行っていたことが明らかになっていて、20日、園を運営する「社会福祉法人松原福祉会」が、県と市の改善勧告に対して報告書を提出しました。
県によりますと、報告書では虐待が相次いでいた原因について「保育士の虐待への認識不足」や「悩みを共有できる場面がなかったこと」などが挙げられていたということです。
また改善案については副園長や主任保育士を新たに採用することや、少人数の会議で保育の悩みや解決案を話し合える環境を作ることなどが明記されていたということです。
県は「報告書の内容を踏まえて頻繁に園を訪問しチェックしていきたい」としています。