最新回の朝ドラ「ばけばけ」ウラの見所~イケてない錦織(吉沢亮)人間味があってよい。おトキ(髙石あかり)達には“フラグ”が?

第8週「クビノ、カワ、イチマイ。」#40

【朝ドラのツボ!】

 スキップをマスターしようと、錦織(吉沢亮)はこっそり練習中。しかし、生徒の小谷(下川恭平)、正木(日高由起刀)、弟の丈(杉田雷麟)、そしてヘブン(トミー・バストウ)にバレてしまう。

 ひょんなことから、スキップの発祥はヘブンが生まれたアメリカのものではないかと話になるが、ヘブンはアメリカ生まれではなかった。錦織たちにトキ(髙石あかり)も交えた、ヘブンのことを知るための大クイズ大会が始まる。

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【本日のツボ】

ヘブン先生 主催「大クイズ大会」
 ※※以下、ネタバレあります※※

「タッタタッタ、タッタタッタ…」廊下でスキップの練習をする錦織。どうやら身体能力はあまり高くなさそうです。逆にそのダメさ加減で、ようやく人間味が出てきたというか…。錦織のスキップをこっそり見ていた生徒たち。

 そこにヘブンがやってきて、生徒たちにもスキップをやるように促したところ、すぐに覚えて、ヘブンと一緒にスキップ。それを見ている錦織のなんともいえない表情。そして、ここから、錦織のイケてない1日が始まるのでした。

 スキップはどこの発祥か? という生徒の問いに、「先生の出身のアメリカだろう」と錦織。それを英語でヘブンに訊ねると、「私はアメリカ生まれではない」とヘブン。

 アメリカ出身ではないことも含め、今さらながらヘブン先生のことをあまりにも知らな過ぎるのでは、と生徒たちがヘブン先生のことを教えて欲しいとお願いしたところ、ヘブンは錦織と3人の生徒を自宅に招き、自分に関する問題を出します、と。そこに、女中のおトキも加わり、「大クイズ大会」が始まりました。

「デハ、ハジメマショウ クエスチョン、ワン ヘブン!」とまるでクイズ番組のMCのように出題するヘブン。バックにはクイズ番組などでよく使われる効果音が鳴っています。

「どこの国で生まれたか? ①ギリシャ ②アイルランド ③フランス」。答えはギリシャでした。英語圏はアイルランだけだからアイルランド、などともっともらしく答えた錦織は不正解でした。

「ギリシャで生まれ、2歳でアイルランドに渡り、アメリカ、フランス、マルティニークなどで暮らしてきた。母上はギリシャ人で、父上はアイルランド人、だそうだ」とヘブンの言葉を通訳する錦織。

 と、こんなふうに、クイズに答える形で、錦織や生徒、おトキ、そして、私たち視聴者に、ヘブンの生い立ちなど、いろいろなことが明らかにされるという流れでした。

 効果音も含めてなかなか攻めた演出にニンマリ。おそらくこの時代にはありえないクイズ大会のスタイルですが、こういう遊び心、好きです。

 正解者にはヘブンから賞品が渡されるのですが、それが、おトキの鎌で、それを見たおトキの、「あっ、私の」という言い方がまたスバラシイ。

見出し

 結果的に、誰よりもヘブンのことを1番知っているはずの錦織が1問も正解できず、錦織がムキになって「もう1問お願いします」、とヘブンに懇願。「この私がただの1問も…あり得ない」と焦るところに人間味が溢れていました。

 この日は、スキップはできない、クイズは不正解ばかりと“松江の神童”と言われた錦織が初めて屈辱を味わった日となりました。

 そして、写真の女性が誰なのか?という話題になった時、おトキが、あの写真のことは触れないほうがいいとやんわり止め、「きっとですが、ヘブン先生の大切な方だからです…私にも大切な人がいますが、そういうことはなるべく心の中にしまっておきたく…」と、ヘブンを守ります。

 それを聞いていたヘブンは、「セイカイ」と。そして、おトキに「アリガトウ」と礼をいいます。

 そして、写真の女性が誰なのか?という話題になった時、おトキが、あの写真のことは触れないほうがいいとやんわり止め、「きっとですが、ヘブン先生の大切な方だからです…私にも大切な人がいますが、そういうことはなるべく心の中にしまっておきたく…」と、ヘブンを守ります。

 それを聞いていたヘブンは、「セイカイ」と。そして、おトキに「アリガトウ」と礼をいいます。

 そして、「シジミサン、優勝」と、おトキに賞品の「ブードゥー人形を手渡します」。「針を刺して願いを掛けたり呪ったりするそうです」と説明を聞いたおトキ、「呪ったり? え、丑の刻参りの藁人形みたいな? えっ、わ~」と喜び、「早く呪いたいな、こことか」と刺す真似をします。

 その興奮ぶりを伺うように見ていたヘブン。お互いに、呪いや怪談が好きということで、ふたりの距離が近づくフラグかもしれません。不貞腐れる錦織の表情も見どころです。

 月日が改まり、「ヨロシク」と書いた蛙の絵をおトキに渡すヘブン。その絵にお辞儀する自分の似顔絵と「コチラコソ」と書き足したおトキ。「ヨロシク願いします」「ネガイマス」というやりとりも微笑ましく…。心がほっこり温かくなった週末でした。

(桧山珠美/TVコラムニスト)