不出場のSnow Man、キンプリは元メンバーと共演へ…紅白で分かれた“旧ジャニ”の2つの方向性

STARTO社のグループが3年ぶりに出場

 11月14日、「第76回NHK紅白歌合戦」の出場歌手37組が発表された。2023年の創業者問題以来、2年連続出場者ゼロだった旧ジャニーズ事務所の流れを汲むSTARTO ENTERTAINMENT(以下、SE社)だったが、今年はKing & Prince(以下、キンプリ)が出演者として名を連ねた。

 一方で、事務所の稼ぎ頭とも呼ばれる後輩のSnow Manは3年連続で出演しない。この両者の方向性の違いは、“紅白への思い入れ”と、“現在の人気ぶり”が関係していそうだ。

【関連記事】平野紫耀らNumber_iに疑問噴出…「アイドル性」は必要なのか? 3人の“本気”がファンに問う覚悟

紅白なしでも頂点に君臨するSnow Man

 NHKが旧事務所所属タレントを一律に締め出した2023年の大晦日、Snow ManはYouTube生配信を実施し、最大同時接続は当時の日本新記録の約133万人を突破。2024年の大晦日も、Snow ManのYouTube生配信を約126万人が視聴している。

 2023年のYouTube生配信を前に、Snow Manの目黒蓮(28)は「9人とみんなで最高の大晦日にしようね! 絶対後悔させないよ 俺らを正解にする」と、Instagramで宣言していた。それまで長年紅白を盛り上げてきた旧事務所アーティストに対するNHKの扱いに、思うところがあったのかもしれない。

 その宣言通り、NHKがSE社所属タレントに対し態度を軟化させた2024年末と、今年の紅白には、おそらくオファーがあったであろうSnow Manの出場はない。

 Snow Manは、2020年にデビューし、瞬く間にトップアイドルへと駆け上がった。同年大晦日には紅白出場が決まっていたが、メンバーのコロナ感染があり辞退。2021年、2022年と連続出場したが、そこからは出演が無い。

 それでも、紅白出演有無に関わらず、彼らは日本のエンタメ界の頂点に君臨してきた。“紅白への思い入れ”は薄そうだ。

一方、紅白への思い入れが強いキンプリ

 ゴールデン帯冠番組「それSnow Manにやらせて下さい」(TBS系)も絶好調で、個人仕事でもメンバー9人それぞれがドラマ、映画、バラエティとフル稼働。彼らは紅白に出ずとも、絶えず新規ファンを獲得し続けている。

 それが、ミリオンヒット連発や、ドームツアー、スタジアムツアーの成功に繋がっている。“現在の人気ぶり”を考えれば、紅白ではなくYouTube配信でのファンとの時間を最優先させる余力があるとも言えそうだ。

 一方キンプリは、現メンバーの永瀬廉(26)、髙橋海人(26)と、脱退した平野紫耀(28)、岸優太(30)、神宮寺勇太(28)の5人で、デビュー年の2018年から2022年まで5年連続で紅白に出演している。

 3人の脱退が決まっていた2022年の紅白では、平野が「5人で出る紅白は最後になると思いますので、みなさんの目に焼き付けるようなパフォーマンスができたらなと思っています」と語っていた。キンプリの“紅白への思い入れ”は、Snow Man以上に強いだろう。

Number_iは2024年に出場を果たす

 キンプリの2人は、2023年と2024年の大晦日には紅白への出場は無く、ファンクラブ会員向け配信を行っている。

 そのかたわら、平野、岸、神宮寺は退所後にNumber_iとなり、デビュー年の2024年に紅白初出場を果たした。5人の関係性は良好と見られているが、永瀬、髙橋が複雑な気持ちを抱いたとしてもおかしくはない。

キンプリ2人体制初となる紅白出場

 また、“現在の人気ぶり”という観点でも、キンプリは3人脱退前をピークに緩やかに落ち着きをみせている。永瀬、髙橋それぞれが俳優としての評価を高めているものの、キンプリのゴールデン帯冠番組は無い。

 単純にメンバーの人数が多くあちこちで露出出来る後輩グループと比べ、新規ファンを獲得するチャンスは少ない。今年、3年ぶり6度目かつ2人体制初となる紅白出場は、キンプリにとって重要な意味合いを持ちそうだ。

 さらに、今年の大晦日には、キンプリとNumber_iが紅白に揃い踏みとなり、別グループではあるが「5人最後の紅白」を覆すことになりそうだ。紅白に限らず、3人の脱退以来、5人が同じ画面に映ること自体これまで無かっただけに注目を浴びている。

5人はお互いを祝福し合えるか

 両者の一部ファンからは反発があるものの、お互いの成長を笑顔で称え合う場面なんてあれば、「分裂」の印象も薄まり、多くの視聴者の胸を打つのではないだろうか。

 もちろんそれを強いる必要は無いが、5人はお互いの紅白出場を素直に祝福し合える人間だと思う。反発し合う両者のファンが、その言葉を飲み込んでしまう、そんな場面が見たい。

(こじらぶ/ライター)