衆議院内閣委員会で21日、歌手・石川ひとみさんの代表曲「まちぶせ」の歌詞がストーカー規制法に抵触する可能性があるのではないか、という質問が飛び出した。質問者は有志の会の緒方林太郎衆議院議員。ストーカー規制法改正案の審議のなかで、同曲の歌詞にある「好きな人の帰り道で偶然を装って待つ」という行為を例に挙げ、法の適用範囲をただした。
産経報道にネット騒然「源氏物語もアウト?」
産経ニュースで21日、このやりとりが報じられると、X(旧ツイッター)を中心にSNSで拡散。「これがダメなら源氏物語をはじめ古典の多くが速攻規制対象だろ」といった批判の一方、懐かしさから曲を再評価する投稿も見られた。
赤間二郎国家公安委員長は「相手に不安を与えることが要件」「過度な規制はしない」と説明し、歌詞のような行為だけでは違法にならないとの認識を示している。
44年経っても色あせない昭和の名曲「まちぶせ」とは
1981年発売の「まちぶせ」は、作詞・作曲を荒井由実(現・松任谷由実)が手がけ、元々はアイドル歌手、三木聖子に提供された楽曲だった。リメイクした石川ひとみの透明感ある歌声とキャッチーなメロディーが受け、同年オリコン最高2位を記録。NHK紅白歌合戦への初出場も果たした。発売から44年経った現在もカラオケの定番曲として親しまれており、昭和ポップスの名曲として根強い人気を誇る。歌は世につれ…世の中の解釈も変わりゆくのか。
■石川ひとみ(いしかわ・ひとみ) 歌手、声優。1959年9月20日生まれ。名古屋市出身。高校2年のときフジテレビ系オーディション番組『君こそスターだ!』でチャンピオンに。1978年5月25日、「右向け右」でアイドル歌手としてデビュー。1979年~1982年、NHKの人形劇『プリンプリン物語』で主役のプリンセス・プリンプリンの声を担当。NHK『レッツゴーヤング』では太川陽介と司会を務めた。1981年、11枚目のシングル「まちぶせ」が大ヒットし、最高順位オリコン2位、年間ランキング11位を記録。〈好きな人の帰り道で偶然を装って待ち伏せする〉という片思いの心情を描き、以後もカラオケの定番曲となっている。1987~88年、B型肝炎で闘病。回復後、復帰し闘病中も支えたミュージシャンの山田直毅さんと結婚した。
