
静岡県内ではいま、死亡事故が相次いでいて、指摘されているのが自転車のマナー違反やルールの理解不足です。
10月だけで7件起きている死亡事故。
中でも自転車が関連した事故は4件と目立っていて、10月16日には富士宮市で高校生が車と出合い頭に衝突し、死亡しました。
また、10月17日には静岡市で大通りを電動アシスト付き自転車で渡っていた高齢女性が車にはねられ死亡。
現場には横断歩道や信号機はありませんでした。
県警察本部によると、県内で2025年8月末までに起きた交通事故は1万584件。
このうち自転車が関連した事故は1719件と全体の16.2%を占めています。
県警交通企画課・堀井泰孝 管理官:
自転車事故の7割以上、4件に3件が交差点の事故になっている。交差点を通行する際はしっかりとルールを守ってもらわなければ交通事故になるリスクが非常に高い
特に自転車事故の場合、約4割は高校生以下が被害者や加害者になっていて、通学がピークとなる時間帯の交差点の様子を見てみると…
社会部・若山悠介 記者:
交差点の真ん中を減速せずに走っています。こちらの自転車は左右確認をせず、大きく右折しています
たびたび危険な運転が確認されました。
こちらは県警が2024年、ドローンによって撮影した映像です。
自転車は歩行者がいるにもかかわらず速度を緩めることなく目の前を通過。
歩行者が自転車に気づいたことで事なきを得ました。
県警交通企画課・堀井泰孝 管理官:
登校する子供がいるにもかかわらず速いスピードで一時停止せずに走っていく自転車、並進して歩行者や車両の通行を妨げるケースもまだまだ見られる
ただ、こうしたマナーの悪さは自転車に関わる交通ルールがわかりづらいことも一因との指摘もあります。
そこで実際の交差点を例に解説してもらうと…
県警交通企画課・堀井泰孝 管理官:
こちらの交差点を自転車で横断する場合、どの信号に従えばいいでしょうか?
信号を見てみると、車両用は青、歩行者用は赤に。
果たして正しいルールは…
県警交通企画課・堀井泰孝 管理官:
正解は原則自転車は車両と同じで3灯式の信号に従う
道路交通法では軽車両に位置づけられている自転車。
このため従うべきは車両用の信号機で、また、13歳未満や70歳以上などを除いては歩道ではなく車道の左側を走るのが原則です。
続いてこちらの交差点にも車両用と歩行者用の信号がそれぞれ付いていますが…。
県警交通企画課・堀井泰孝 管理官:
歩行者用信号灯器の左側に歩行者自転車専用という表示板がある。この表示板がある場合、歩行者用信号に従ってもらい、なおかつ自転車のマークがある自転車横断帯を通ってもらわなければいけない
最後に信号機のない交差点。
横断歩道があるのは右側だけなので奥に向かって渡るには…
県警交通企画課・堀井泰孝 管理官:
右側の横断歩道を利用せず、そのまままっすぐ進めば問題ない。あくまでも横断歩道は歩行者が渡る場所
ただ、一時停止の標識があるため停止することなく交差点に進入すればもちろん違反です。
県警交通企画課・堀井泰孝 管理官:
自転車は慣れた道でこそ油断が事故につながるので、日常生活で乗る人が多いと思うが一歩間違えれば大きな事故を起こす、大きな事故の被害に遭うことを常に理解し、安全に慎重な運転を心掛けてほしい
自転車をめぐっては、2026年4月から交通事故につながるような危険な運転に反則金を科す交通反則通告制度、いわゆる“青切符”が導入されることになっていて、改めて自身の運転やルールを見つめ直すことが大切です。