高市首相 「夫の叙勲」投稿に夫婦の絆と「午前3時の勉強会」の懸念

衆院予算委員会に臨む高市早苗首相=7日午後、国会内
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高市早苗首相は、夫の山本拓氏が秋の叙勲を受章したことを報告しました。叙勲は自身の総理就任前に決定されたもので、夫の努力によるものと説明しています。山本氏はリハビリを経て体調が安定し、受章の栄誉を受けました。高市氏は祝福しつつ、国会答弁のため親授式に参加できないことを残念に思っています。ネット上では祝福の声が多く、夫婦の絆が感じられる投稿となっています。一方、高市首相の激務を心配する声も寄せられています。

高市早苗首相(64)が自身のX(旧ツイッター)で夫で元衆議院議員・山本拓氏(73)の秋の叙勲受章を報告し、多くの支持者から祝福の声が寄せられている。高市氏は「私事ですが、夫が秋の叙勲で勲章を賜ることになりました」と投稿。「総理大臣の夫だから?」との憶測に対し、叙勲の閣議決定は石破内閣時代で、自身の総理就任前だったと説明した。

初登院時の山本拓氏(2005年撮影)

脳梗塞からのリハビリで体調安定の夫・山本拓氏

高市首相の投稿全文は次の通り。

私事ですが、夫が秋の叙勲で勲章を賜ることになりました。

SNS等で「総理大臣の夫だから?」との憶測も見られますが、叙勲の閣議決定は、私が総理に就任する前の石破内閣の時です。

農林水産副大臣や衆議院で何度も委員長を務めた夫は、春の叙勲を楽しみにしていました。

しかし2月に脳梗塞で倒れ、リハビリを頑張って体調が落ち着いてきたことから、秋の叙勲の栄誉に浴することになりました。

親授式は今月11日です。

私も総理大臣として午前は宮中に参内しますが、配偶者としての行事への参加は国会答弁のため欠席になります。

坂道で車椅子を押してあげられないことや夫婦で記念写真を撮れないことは少し残念ですが、夫が「1人で大丈夫だから、仕事を頑張れ」と言ってくれたので、安心して頑張ります。

7日午後10時32分に公開されたこのX投稿は、8日午前11時までに表示回数8885万を超え、注目が集まっている。ネット上では「ご主人様のご叙勲、心よりお祝い申し上げます」「夫婦の深い絆を感じます」など温かい祝福の声が多数寄せられている。

高市早苗・山本拓夫妻の出会いと再婚

山本氏は福井県出身の元自民党衆院議員で、代議士を8期務めた政界ベテラン。高市氏とは政治活動を通じて出会い、2004年に結婚。一度は「互いの政治的スタンスの違い」から結婚生活は終わったとされるが、2021年の総裁選で山本氏が高市氏を支援し、その後再婚に至ったと報じられていた。

今年2月の脳梗塞で倒れた山本氏を、多忙な政治活動の合間に高市氏が懸命に介護する姿は複数の週刊誌でも報じられていた。首相就任直後に「私自身もワークライフバランスという言葉を捨てる」とあいさつした高市氏。政治のトップに立った今も変わらぬ夫婦の絆が垣間見える投稿となった。

SNSでの反応を見ると「ご主人様の温かいお気遣いに胸がキュンとしました」「長い時間の積み重ねや、歩んできた道が形になる瞬間は、胸に響くものがありますね」「この言葉に、ご夫婦の強さと優しさ、そして国家への責任感を感じました」など、夫婦の関係性に感動する声が目立つ。

「午前3時の勉強会」への懸念も

一方で、高市首相は、「午前3時の勉強会」が物議を醸した。高市首相は衆院予算委前日、答弁書未完成で午前3時から公邸で勉強会を開き、秘書官らに迷惑をかけたことを陳謝。立憲民主党の議員による質問に答えたもので、指摘された省庁職員ら100人規模の影響は否定。「首相官邸に行くと、警護などたくさんの職員が出勤しなければならなくなる」と配慮したことを示しつつ、「手伝ってくれた秘書官、議員宿舎から首相公邸までついてきてくれたSPさんとドライバーの方にはご迷惑をかけたと思っている」と反省の弁を述べていた。

SNSの反応でも、「旦那様の叙勲、おめでとうございます。そして何よりもかによりも…寝てください」「周りに何と言われても寝てください」など、就任以来の激務を懸念し、休息を求める声が多くみられた。

■山本 拓(やまもと たく) 元自民党衆議院議員(8期)。1952年7月7日生まれ、福井県出身。法政大学文学部卒業。高市早苗氏の新首相指名で日本初の「ファースト・ジェントルマン」となる見通し。今年に入り脳梗塞で倒れ、多忙な高市氏が介護。農林水産副大臣を歴任し、調理師免許を持つ。

■高市早苗(たかいち・さなえ) 1961年3月7日生まれ。奈良県立畝傍高校卒業、神戸大学経営学部経営学科卒業(経営数学専攻)。1993年7月に衆議院議員に初当選。当選回数は10回。2025年10月の自民党総裁選では、小泉進次郎氏を破り新総裁に選出。首班指名選挙では、第104代首相に選出され憲政史上初の女性首相になった。