〈1万円あげるから見てくれませんか?〉女子高生にわいせつ男…裁判で語られた「身勝手すぎる主張」

本田優人被告は女子中高生を物色しては、声をかけていた(画像はイメージです)

〈おカネあげるから〉

今年の4月から5月にかけて、路上で女子中学生や女子高校生に声をかけ、自分の体を無理やり触らせるなどのわいせつな行為をしたなどとして、7月に不同意わいせつと東京都迷惑防止条例違反の罪で逮捕された、本田優人被告(25=逮捕時)の公判が11月4日、東京地裁で開かれた。

入廷した本田被告はマスクをしていたが、整えた眉と端正な目元からは落ち着いた雰囲気がうかがえる。黒のスーツを着用し、左手の薬指には結婚指輪がはめられていた。

起訴状によると、本田被告は練馬区の路上で、女子校生Aさん(17)とBさん(17)、中学生のCさん(14)に対して自身の下半身を触りながら、

〈おカネをあげるから(自身のわいせつな行為を)見てくれませんか〉(起訴状より)

などと話しかけたという。本田被告は起訴内容について、

「間違いありません」

と素直に認めた。犯行当時、本田被告は妻と生まれたばかりの子どもと3人で暮らしていた。はたから見れば、幸せな日々を送っていたように思えるが、なぜ愚行を犯してしまったのだろうか──。

裁判で明かされた犯行のきっかけは、妻の妊娠で性行為ができなくなったという身勝手な理由だった。本田被告は、

「1人で(自慰行為を)するようになったが、妻にバレるのが嫌で車内でするようになった。次第に通行人に見られるのではないかというスリルを覚えるようになった。それがエスカレートした」

などと説明している。

「路肩に車を停め、自慰行為をしていましたが、見てもらうとさらに興奮するのではないかと考え、車で移動しながら好みの女性を探していたようです。女子高生には『1万円あげるから見てくれませんか?』などと声をかけています。特に被害者のAさんには執拗につきまとい、手をつかむなどしていました」(全国紙司法担当記者)

弁護士から、被害者が感じた恐怖心についてどのように思うかと問われると、

「自分の欲求だけで、そこまで考えられませんでした」

と、あまりに自分勝手な理由を述べている。さらに弁護士は、Aさんだけを執拗に追い回した理由について質問した。

「素敵な女性だったので見てもらいたい」

本田被告は、車で移動しながら好みの女性を物色。路上を歩いていたAさんを見つけると車から降り、卑猥(ひわい)な言葉を投げかけた。危険を察知したAさんは来た道を引き返したが、Aさんの隣を歩きながら、

「何歳なの?」 「お金をあげるから見てくれない?」 「ダメ?」

などと話しかけ続け、Aさんの腕をつかんでいる。

その理由について、

「(他の通行人から)ナンパしていると注目されそうだったので、知り合いと思われるように手をつかんだ」

と意図を説明。裁判長から「注目されそうになったら(普通は)やめて逃げるんじゃないの?」と質問されると、

「雰囲気が素敵な女性だったので見てもらいたい。もう少し話したいと思いました」

と説明した。最後に裁判長から「お金を払って見てもらったことはあるか?」と問われると、

「1回もありませんでした」

と答え、被告人質問を終えた。

妻の妊娠によって性行為ができなかったことを犯行の理由にした本田被告。被害女性たちが感じた恐怖を考えると、同情の余地は一切ない。