第7週「オトキサン、ジョチュウ、OK?」#31
【朝ドラのツボ!】
ヘブン(トミー・バストウ)の女中になる決意をした、トキ(高石あかり)。錦織(吉沢亮)の立ち会いのもと、トキはヘブンに女中になる挨拶をするが、まさかのヘブンに断られてしまう。
困惑するトキと錦織に、ヘブンは「アナタ、ブシムスメ、チガウ!」と怒りをあらわにする。なんとか誤解をとき女中となることが認められたトキだったが、家族には言えるわけもなく、花田旅館で働くことになったと告げる。
【こちらもどうぞ】「ばけばけ」“女中”が意味するのはどっち? おトキ(高石あかり)のうらめしい世の中は続く…
【本日のツボ】
「ウデフトイ、アシフトイ シゾクチガウ、NO!」
※※以下、ネタバレあります※※
錦織はよっぽどヘブンに信頼されていないのでしょうか。彼が連れてきた女中候補・おトキを、「シゾク、チガウ、NO!」「ワタシ、ダマサレナイ」と信じてくれません。
さらにはおトキの腕を見せろ、足も見せろと要求します。おトキが着物の袖と裾をめくる際、目をそらした錦織はやっぱりいい人だなあと思いました。
実際、おトキを演じる高石あかりの腕も足もスラリとしていて太くないので、見せたところで、と思いますが…。ここで効くのが、以前、借金取りの森山(岩谷健司)が「次、来たときは、織子で鍛えたその太い腕引っ張って遊郭に連れて行くけんのぉ!」と捨てゼリフを吐いていたことです。
おトキ、そんなに腕太かったっけ? と謎でしたが、あの時のセリフが、ここで生きてくるわけです。
そんな「ブシムスメデナイ」と疑うヘブンは、「天国町のラストサムライの孫」と錦織の説明を受けて、態度を一変、ウェルカムムードに。お給金20円を前渡しするという太っ腹ぶりです。「ラストサムライ」がここで活きてきました。おじじさまも役に立ちました。
吉沢亮、あの映画のように板垣李光人を守って…
それとは反対に、いっこうに役に立たないのは三之丞(板垣李光人)です。まだ「社長にしてください」とやっているのには呆れるばかりです。
おトキのお金も、いったんは固辞したものの、おトキの優しい嘘に乗っかり受け取りました。ほんとうにあのお金で家を借りるのか、まだまだ油断はなりません。
ところで、話はガラッと変わりますが、映画「国宝」の陰に隠れ、なかったことにされている吉沢亮主演「ババンババンバンバンパイア」では、吉沢演じる450歳のバンパイア森蘭丸が、至高の味わいである「18歳童貞の血」を求め、15歳の高校生・季仁の童貞喪失を阻止しようと奮闘するコメディーで、その季仁を演じているのが板垣でした。
こちらの世界でも、守ってあげて、と思ったり…。
(桧山珠美/TVコラムニスト)