2024年に熊本・山鹿市に住む元部下の女性を殺害するなどの罪に問われている男の裁判員裁判が、11月11日から熊本地裁で始まった。被告の男は「殺すつもりは全くありませんでした」と起訴内容を否認した。
元部下の女性宅に侵入し殺害した罪
殺人と住居侵入の罪で起訴されているのは、山鹿市下吉田に住む小売業・園村圭司被告(52)。

起訴状などによると、園村被告は2024年7月に山鹿市に住む元部下の女性宅に侵入し、女性の首を絞めて窒息させ、殺害した罪に問われている。

11月11日の初公判で園村被告は、「殺すつもりは全くありませんでした」と起訴内容を否認した。
探偵がインターホン 催涙スプレー
その後の冒頭陳述で検察は「園村被告は女性に好意を寄せていて、事前に行動や帰宅時間を監視。事件当日は被告から依頼された探偵がインターホンを鳴らしたあと、園村被告が女性宅に侵入し、女性が抵抗しなくなるまで首を締め続けた」と指摘した。

一方、弁護人は「園村被告は女性と話すために自宅から連れ出そうと催涙スプレーを使ったが抵抗され、もみ合いとなった。女性を気絶させたつもりだったが、連れ出した先で、女性が死亡していることに気づいた。殺すつもりはなかった」と主張した。

午後からの証人尋問では、司法解剖を行った医師が「女性は、静脈を完全に塞ぐ2キロ以上の力で少なくとも3分間、継続して首を圧迫されたことで、自発呼吸が停止した」と証言した。

「自分が死ぬ前提で余裕なかった」
また、13日の被告人質問で、園村被告は事件当日について「女性を気絶させ、連れ出し、話をするために顔に催涙スプレーをかけたり、首に腕を押し当てたりした。亡くなっているとは全く思っていなかった」と話した。

一方、「いきなり顔に催涙スプレーを噴射されたら、女性はまともに話をできると思うか」聞かれると、園村被告は「今はありえないことだと思うが、当時はそう判断をした。自分が死ぬことが前提で、考える余裕がなかった」と答えた。

そして「話をするために今回の方法をとったことは異常なことだと、今では思う」と述べた。判決は11月25日に言い渡される予定だ。
(テレビ熊本)