「非常につらい思いをさせたと思う」山上被告が妹について語る 母親が入信判明時「妹が小学生で一番傷ついているのではと思っていた」安倍元総理銃撃・殺害事件裁判

安倍元総理を手製の銃で撃ち、殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)の裁判員裁判で20日、被告人質問が実施され、証人として出廷し、母親が旧統一教会にのめりこんでいく中で経済的に困窮したことなどを語った妹について「非常につらい思いをさせたと思う」と語りました。

山上被告は安倍元総理の殺害を認めていて、弁護側は一部の罪の成立などを争っています。

また山上被告は逮捕されたとき「母が入信する旧統一教会とつながりがあると思い、安倍元総理を狙った」話していて、事件の動機にどう影響したかが焦点となっています。

■妹について「非常につらい思いをさせたと思う」

山上被告は弁護側から証人として出廷した妹について聞かれ、以下のように答えました。

(Q.妹の証言を聞いてどう思ったか?)
【山上被告】「全部覚えていないところもある。(妹は)母の入信したころは幼かったから、よく覚えているなと思った」

(Q.証人として裁判に来たことについては?)
【山上被告】「非常につらい思いをさせたと思う」

■母親の信仰が発覚し家庭トラブルに「妹が小学生で一番傷ついているのでは」

裁判では山上被告が中学2年生の時に母親が、自身の父である祖父の不動産を無断で売りに出そうとしたことをきっかけに、旧統一教会への入信が家族に発覚したことが語られていました。

そしてそのころから祖父が母親と衝突するようになったということです。

弁護側は「裁判で提示された妹に関するメールを見てどう思ったか」と質問。

山上被告はこう答えました。

【山上被告】「母親の統一教会への献金がわかって、家族のトラブルが始まった。自分が中2、妹が小学生で一番傷ついているのではと思っていた。何かこう最低限してあげることをしてあげるべきだと思った」

■妹が語っていた「母の信仰」と「苦境」

山上被告の妹はおととい=18日ときのう=19日の2度にわたって証人として法廷に立ち、旧統一教会の信仰にのめりこんでいく母親の姿とそれによる苦しい生い立ちについて語っていました。

【山上被告の妹】「なぜ先祖ばかり大切にするのか、生きている人を大事にしてほしいと言いました。母は、いかに先祖が悪いことをして、財産を持っているのが悪いことかをいっていました」

(Q.それを見てどういう気持ちになりましたか?)
【山上被告の妹】「受け入れることはできなかった。おかしなことをしているというか、気持ち悪い」

また母親と対立していた祖父に「出ていけ」と家から追い出されたときのことについては…

【山上被告の妹】「(祖父から)『出ていけ』と追い出され、家の隣の駐車場に立っていたことがあった。部活帰りの徹也が帰ってきて家に入ろうとしたとき、おじいさんは『出ていけ』と徹也にも言い、徹也は出ていってしまった。私と徹也の2人だけでも、あのとき児童養護施設にでも行けばよかったと後悔している」