鈴木福、21歳の真実「みんなが思うようないい子ちゃんではない」国民的子役時代から抱える葛藤を明かす

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―[連載『エッジな人々』]―

’11年の大ヒットドラマ『マルモのおきて』で一躍知られるようになった“国民的子役”も、今は21歳。“福くん”というイメージを背負いながらも、「みんなが思うようないい子ちゃんではない」と言う。子役を経て成長した俳優・が、等身大の自分と向き合う現在地を語る。
 1歳でデビューしてから、今年で芸歴20年。国民的ドラマ、NHK連続テレビ小説出演、情報番組司会など、子役時代から芸能界の“ど真ん中”を走り続けてきた。近日公開予定の(※1)映画『ヒグマ!!』では、父の自死をきっかけに闇バイトに手を出してしまった主人公がヒグマに襲われるという衝撃的な役柄に挑んだ。日本各地でクマ被害が起きている現状から、本作の公開延期が報じられたことは周知のとおり。今までのキャリアとは異なる挑戦だが、鈴木が「スーパーポジティブ人間」と自らを語る裏には、挫折や葛藤を乗り越えてきた強靭なメンタルがある。芸能界を生き抜いてきた鈴木の素顔に迫った。

◆いい子のままでは終われない

──今回の映画について福さんのSNSでの告知投稿を見て驚きましたよ。攻めた作品ですが、この仕事を受けようと思ったきっかけは何ですか。

福:最初にオファーを受けたときのインパクトと、(※2)内藤瑛亮監督と佐藤(圭一朗、企画・プロデュース)さんたちと一緒にやれることも含めて、すごい熱量を持って僕にオファーしてくれているとマネジャーさんから聞いていたので、それならぜひということでお引き受けしました。

──ちなみに内藤監督の作品はお好きなんですか? 先鋭的な作品を作ってきた人ですけど。

福:もちろん知っていて、好きでしたね。中学生ぐらいのときに観た(※3)『ミスミソウ』にすごく惹かれて、それがとても印象的でした。内藤監督の作品に呼ばれるとは思いもしなかったですし、タイプ的に違うのかなと思っていたんですけど、主演として携わらせてもらえることになって楽しかったです。

──ボクも勝手なイメージで、福さんは芸能界のど真ん中を行こうとする人だと思っていたので、人生に追い詰められて闇バイトに手を染めてしまうような役柄にも挑戦して、しかも見事に自分のものにしているという衝撃がありました。

福:なるほど。そのイメージはなんとなくわかります。俳優の仕事に関してはスケジュール的な問題がない限りは、ほとんどやりたい。まずやりたいという気持ちで企画を見るところから始まります。でも、挑戦的な役が来ないよなあ……というのは、やはりいくらでもありますよね。

──基本、(※4)『仮面ライダー』をやりたいというのはずっとおっしゃってましたけど、それ以外に何かあったりしたんですか?

福:そこがあまりにも大きすぎましたが、アクションをやりたいという気持ちもありました。

──今回もアクション的な部分はあるといえばありますよね。

福:だいぶ、緊張感のあるアクションですけども。

◆みんなが思うような“いい子ちゃん”ではない

──今回の役は過酷な状況にあっても、すごいポジティブじゃないですか。監督もプロットを書いている段階から顔が浮かんでいて、福さん自身の“陽性”的なトーンが作品に合っている、とキャスティングしたとコメントされていましたね。

福:はい。僕も今日初めて聞いて、確かになと思いました。

──納得はするんですね。

福:します! え、しません?

──します、すごく。福さんも自分がどれだけポジティブなのかよく語っていますが、家庭環境で培われたんですか?

福:そこは大きいと思います。生まれ持ったものでいえば母親の影響が大きくて。あとからいろいろ考えた上でのポジティブさみたいなものは、父親からもらったものが大きいと思います。

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