
「30代後半女性が運動不足」という報道にSNSで怒りの声が集まっているという。この問題についてニュース番組『わたしとニュース』のハレバレンサー(MC)でお笑いコンビ・クワバタオハラのと考える。
30代後半女性の運動不足報道に反論
10月、スポーツ庁が国民の体力・運動能力を調査した結果を発表。この調査で、30~40代の女性の体力が低下傾向にあることが明らかとなり、運動・スポーツの実施率の低下が影響したとみられている。
しかし「運動不足」のらく印を押された当事者たちからは、「仕事して子育てしていたらスポーツする暇なんてない」「子育てしたらわかる。夜泣きでまともな睡眠すらない」「共働き世帯が増えているのに、女性だけ体力が低下。なぜ男性は体力低下していないの」などの反論が噴出した。
時間がないのが実情…睡眠時間もとれていない日本人女性
働き方改革についての研究・調査を行う昭和女子大学の白河桃子客員教授は、ほとんどの女性がスポーツをする時間がないのが実情だと話す。
「日本の女性は世界で一番睡眠時間が短いことでも知られている。しっかり睡眠をとるような時間もないとなると、スポーツよりは、まずは休みたいということが優先になるのではないか」(白河桃子客員教授、以下同)
OECD(=経済協力開発機構)の調査によると、日本人の平均睡眠時間は33カ国中で最短で、女性は男性よりも13分短い結果となっている。
「これは、男女の余暇時間の格差、可処分時間の格差である。女性は子育てと仕事でアップアップなのに、なぜ夫は決まった時間にジムに行くのか、決まった時間に走りに行くと言って1時間程いなくなるのかなど、怒りの声がさまざまな場で散見される」
今回の調査結果を受け、白河教授は、単なる女性の運動不足の問題にとどまらないと指摘する。
「女性が男性の5倍も無償労働、家事・育児をしているのは、先進国では本当に珍しい現象である。今、女性も共働きで、パートの人であっても、家計の約3割は稼いでいる。だが、家事や育児は女性がメインでやるものという、社会の風土があまりに根強い」
この調査結果に対してはこう語る。
「イクメンという言葉が出てきて、育児する人増えてきたと思うが、運動をする時間はない。私は3人子供がいるんですが、子どもが歯が痛いといえばすぐに連れていくが、自分が痛いのは鎮痛剤を飲んで我慢していた。歯医者に行く時間もない」()
男性は変わっていない…子育て世代のスポーツ実施率
さらに、スポーツ庁が調査した20歳以上のスポーツ実施率では、女性の方が男性より低く、男女の差が年々拡大しているということがわかる。性年代別スポーツ実施率は、30代女性は41%、40代女性が40%という結果だという。まさに子育て世代のスポーツ実施率が低いということになっている。この調査結果に対しては…。
「わかりやすい。30代40代子育て真っ只中の世代が、実施率が低くなっている。男性はなぜ変わっていないのだろうか」
(『わたしとニュース』より)