
2022年に安倍元総理を銃撃して殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)は、きょう=20日の裁判で行われた被告人質問で、母親が旧統一教会に入信して数年後の中学生の頃について、弁護側から質問を受けました。
その中で母親の信仰について、「ワイドショーで旧統一教会について報じられている」と母親に話したものの「『テレビのワイドショーを信じるのか』と言われ…」と説明しました。
また母の信仰に反対していた祖父に、「(家から)追い出されて何時間か外を歩いたり駅のホームで何時間か座っていた」と語りました。
これまでの裁判で、旧統一教会の信仰に傾倒する母親とその父親である祖父が信仰を巡って激しく対立していたことが明かされていました。
■祖父と母親が旧統一教会巡って対立
山上被告は父親が自殺した後、母親の父である祖父の家で同居していました。
母親は1991年に旧統一教会に入信すると、高額な献金を繰り返し、教団の絵画を自宅の床の間に飾って祖父から「出ていけ」と言われるなど、信仰を巡って衝突していました。
被告人質問では、旧統一教会の信仰を巡って、山上被告が疑問を感じたことなども語りました。
(Q.お母さんが入信してどう思いましたか?)
【山上被告】「テレビのワイドショーで統一教会に関し、報道されていて、自分も知ってはいたが、実際に自分は体験していたわけではないので、『(母に)テレビのワイドショーを信じるのか』と言われ…」
(Q.祖父はどう言っていましたか?)
【山上被告】「『いずれ財産を持って行ってしまうぞ』と」
(Q.奪会を勧めたりしましたか?)
【山上被告】「韓国に行った時とか、言っていた記憶があります」
■「何度も『開けてくれ』と言うので、開けてしまった」
反発を強める祖父が母親を家に入れないように山上被告と兄や妹に言い、「母親抜きでやっていく」と伝えたことなどをについても話しました。
(Q.お母さんに対して、おじいさんはどんなことをしていましたか?)
【山上被告】「母親が帰ってきても、家に入れないように鍵を閉めて、鍵も回収して、『母親抜きでやっていく』というようなことを言われた」
(Q.母親抜きと言われてどう思いましたか?)
【山上被告】「兄と私が中学生、妹が小学生だったので、祖母がいれば、違ったのかなと思いますが、祖父は家事の心得がないように思っていましたので、母がいなくなれば、回っていかないだろうと」
(Q.母親を家から追い出すことに。徹也さんはどう思っていましたか?)
【山上被告】「暗くなってから、何かの拍子に玄関の近くにいますと、母が玄関をノックして、何度も『開けてくれ』と言うので、開けてしまったことがありました」
(Q.開けるとおじいさんから何か言われましたか?)
【山上被告】「『なぜ入っているのか。誰が開けたのか』。黙っていましたが、何もかも嫌になって…ということもありました」
■「自分で生活するのは無理なので何時間か外を歩いたり駅のホームで座っていた」
また祖父の怒りが山上被告たちにも向かったのか、家から追い出された中学生のときのことについては次のように述べました。
【山上被告】「祖父も高齢で、『会社を閉めて田舎に帰りたいから、お前ら3人は出て行ってくれ』と言われ、追い出されたことがありました」
(Q.その時どんな風に感じましたか?)
【山上被告】「出て行った方が祖父のためにはいいんだろうと思いました」
(Q.実際出て行ったことはありますか?)
【山上被告】「中学生なので、自分で生活するのは無理なので、何時間か外を歩いたり、駅のホームで何時間か座っていたこともありました」
(Q.高校進学についてはどんなふうに感じていましたか?)
【山上被告】「自分が高校に通うことが、当然だとは言えないと思っていました」