aespa中国人メンバーの“きのこ雲”投稿に揺れる紅白、“原爆の記憶”語り継ぐ〈綾瀬はるかが応援〉の複雑胸中

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 11月19日の定例会見で、12月31日放送の『』について、日中間の情勢を顧みた上で「出場していただけるだろうと思っています」と期待を寄せたNHKの山名啓雄メディア総局長。現時点で赤組『aespa(エスパ)』の出場変更はないとのことだがーー。

 高市早苗首相による、いわゆる“台湾有事”発言を受けて緊張が高まる日本と中国の関係。思わぬところで飛び火したのが、韓国出身のカリナとウィンター、日本出身のジゼル、そして中国出身のニンニンをメンバーとする、紅白初出場となる韓国ガールズグループ・aespaだった。

 中国で高まる“排日”運動の煽りを受けて「aespaが出場してくれないのではないか」と、山名局長をはじめNHK、紅白制作サイドが気を揉んでいるわけだ。

 一方で、ネット上では逆に「aespaを出場させるな」との動きが高まり、グループの紅白出場停止を求めるオンライン著名活動まで展開され、11月20日時点で8万筆以上が集まっている。というのも日中関係ではない、ニンニンに対する別のところでの批判が日に日に高まっているからだ。

 aespaの紅白初出場が発表されて間も無く、ネットで掘り起こされたのが、ニンニンがファン向けのコミュニケーションアプリに《i I bought a
pretty light how is it?》とコメントと写真を載せた、2022年5月の投稿。

 彼女が紹介した「かわいいランプ」とは、原子爆弾が投下された際に生じる「きのこ雲」を思わせるデザインのもので、これが「原爆を意識した投稿ではないか」と疑いをかけられてしまったわけだ。

紅白で「戦後80年企画」を予定か

「タイミングが悪すぎました」とは、ベテラン芸能リポーターの弁。

「ニンニンは中国出身ですが、かつて同じく韓国グループ『BTS』メンバーが“きのこ雲”がプリントされたTシャツを着用して問題視され、謝罪した上でテレビ朝日の音楽番組出演を見送られた事案もあります。

 彼らに日本を揶揄する意図はなかったのかもしれませんが、日本では“不謹慎”とされることを理解できていないように思えます。特に今年は戦後80年であらためて原爆の恐ろしさ、被爆者の悲しみがクローズアップされた年。

 紅白においても“戦後80年企画”が練られているとも聞きますし、その演出を含めての綾瀬はるかさんの抜擢だったことも伺えます」

 2025年の紅白司会を務めるのは、3年連続で任される有吉弘行、朝ドラ『あんぱん』でヒロインを演じた今田美桜、同局の鈴木奈穂子アナウンサー、そして6年ぶりに大役に抜擢された綾瀬はるかだ。

 番組公式Xに投稿されたインタビュー動画では、「えっ!? また私に?
なんでだろうみたいな」などと、久しぶりの紅白司会に驚いた様子を見せた綾瀬だったが、なるほど「広島県広島市」出身でもあるからか。

 広島市で生まれ育った綾瀬は、祖母の姉を原爆で亡くしている。当事者の話を聞いて育った綾瀬だけに、芸能人になっても戦争、原爆は身近なものとして特集番組やイベントなどで受け継がれた“記憶”を語り続けている。

「2度と核兵器は使ってはいけない」

 2025年8月にもTBSの戦後80年特別番組『なぜ君は戦争に? 綾瀬はるか×news23』に出演し、日本だけでなくアメリカ側の視線から原爆を取材している。また東京都写真美術館で開催された『被爆80年企画展ヒロシマ1945』に来場した際も、

「どの写真を見てもなんでこんなことが起きたんだろうっていう、悲しい気持ちというか、2度とこんなあぶない核兵器は使ってはいけないし、戦争が絶対に起きてはいけないものだなということをまた感じました」

 原爆で焼かれた広島の街、被曝症に苦しんだ市民、そして“きのこ雲”の写真を目の当たりにして反戦争・原爆を訴えたばかり。

「今回の一件でニンニン、asepaからの投稿をめぐる公式見解、説明はなされていません。このまま何食わぬ顔で紅白のステージに立つこととなればさらなる批判は免れず、彼女たちを応援する立場である、そして戦後企画に臨むであろう綾瀬さんの胸中も複雑ですよ。
 
 また有吉さんも安芸郡出身とはいえ“広島愛”は深い。さすがにアドリブで“不謹慎”投稿をイジることはないと思いますが、それはそれでネットからガッカリの声が向けられるでしょう。やはり複雑ですね」(前出・芸能リポーター)

 日中関係を理由にしての出場辞退、それが双方にとって最善の解決策なのかもしれない。