<福島県商工信用組合>新たに約1,440万円の不正隠ぺい発覚 顧客の口座を勝手に開設

福島県商工信用組合は元職員による新たな不祥事が明らかになったと公表した。

福島県商工信用組合では平成20年から令和6年までに、顧客の預金などから着服を繰り返すなどの不祥事が発覚し東北財務局から業務改善命令が出されていた。
その後に継続された調査のなかで、平成28年に当時の職員が印鑑などを用意し代筆するなどして不正に顧客名義の口座を開設し、不正融資を行っていたことが明らかになったという。5つの取引先に1,140万円の不正融資、さらにこの不正融資された資金から300万円が取引先に貸付(浮貸し)されるなどしたという。2件の不正融資未遂も発覚した。

不正に関わった元職員のメモには「営業成績を上げるために不正融資をしていた」などとする記録が残っていたという。

旧経営陣はこの事実を知りながら隠ぺいをはかり、監督官庁への届け出を怠っていたということで、令和7年8月に実施した職員アンケートで明らかになった。
組合は事実を隠ぺいした旧経営陣に対して報酬の自主返納などを求めていく方針。

また、取引先の貸出に必要な同意書について、職員が代筆し偽造していた事案も発覚した。

福島県商工信用組合では、これらの不祥事について隠ぺいに関わった旧経営陣への報酬の自主返納を求めていく一方で、不正に生み出した資金を回収していることや一連の不祥事での被った組合への損害の算出が難しいことを理由として損害賠償などは求めない方針としている。
同意書を偽造した事案についても、同意書の行使はしていないとして、有識者と協議したうえで刑事告訴はしない方針を決めているという。