26 October 2025
M-1グランプリ2024 最終決戦 見事、注視度1位に。写真は野球好きのツッコミ担当・エースが、今年9月のロッテ対日本ハム戦で行った始球式 視線を逸らさせない″無知な絶妙トーク″ 寺家「(サグラダ・ファミリアは)140年工事しているけど未完成なんや」 エース「なんでスペインまで行って工事現場見なあかんの? 人足りてないから働かせようとしてるやろ。途中見て楽しいのは、お餅焼いている時だけ!」 これは『M-1グランプリ 2024』(テレビ朝日系)の最終決戦で、お笑いコンビ『バッテリィズ』が披露(ひろう)したネタの一部だ。サグラダ・ファミリアなどの世界遺産を紹介するボケ役の寺家に対し、「無知」なエースがツッコむ。二人の軽妙なやり取りが、視聴者をクギづけにした。テレビの視聴データ分析会社『REVISIO』(以下、R社)の広報/マーケティング担当の安武早織氏が語る。 「最近は高学歴の芸人が考えた、知的でキレイにまとまったネタが多くなっています。『バッテリィズ』が披露するのは、そうした洗練さと一線を画す漫才。無知を前面に出した絶妙なトークが、視聴者の視線を逸(そ)らさせないんです」 主要お笑い賞レースでは『キングオブコント』(TBS系)の決勝が、10月11日に行われた。R社は他にも『M-1』、『THE SECOND』(フジテレビ系)、『R-1グランプリ』(同)、『THE W』(日本テレビ系)で、視聴者がどれだけテレビ画面にクギづけになっていたかを独自調査。年代別に表をまとめた(測定法は下参照)。 「テレビに慣れ親しんだ50歳以上の男女『MF3』層は、どのレースもクギづけ度が高いです。とくに『M-1』や『キングオブコント』は、視聴者でなくプロの審査員がジャッジするので、彼らの判定方法やコメントも注目されるのでしょう。一方でピン芸人の『R-1』グランプリは、20〜34歳の『MF1』層を中心に数値が低い。優勝してもブレイクした芸人が少ないことが、注目度に影響していると思われます」(安武氏) 後編【徹底分析して分かった!視覚効果も注視度を高める要素?お笑い芸人「クギづけ度ランキング」大公開!!】 「お笑い賞レース&芸人」測定法 テレビの前の人々がどれだけ画面を見ているかをR社が独自に調査したのが「クギづけ度」(注視度/注目度)。注視度は画面を見ていた秒数、注目度は画面を見ていた人数を基準に測定している。料理などの作業をしながらの「ながら見」では、画面が見られていないことが多いのでクギづけ度は上がらない。関東で2000世帯(約4800人)、関西で600世帯(約1500人)ほどの協力を受け、視聴者がどのお笑い賞レースやお笑い芸人にクギづけとなったかを独自調査。賞レースは世代別、お笑い芸人は視聴者の注目度が高い『M−1』と『キングオブコント』の’22〜’24年の決勝戦出場者を対象に分析した。「世帯テレビオン率」は視聴率のことを指す 『FRIDAY』2025年10月24・31日合併号より
26 October 2025
こだわりが詰まったプライベートジムの前で。「BIGBANG」は文字通り爆発的な強打で24人の世界ランカーを葬って来た中谷の愛称だ 最強の相手への挑戦 天井までの高さは5.4m。127.53㎡の広々とした空間に世界タイトルマッチと同じサイズのリングが備えられ、200㎏、150㎏、100㎏、40㎏、アッパーカット専用、そしてミニサイズの計6本のサンドバッグが吊り下げられている。 ″モンスター″井上尚弥(32)への挑戦を決め、WBC/IBFバンタム級タイトルを返上した中谷潤人(27)が神奈川県某所に築き上げたプライベートジムだ。9月中旬より、スパーリングの無い日はここで汗を流している。ランニングマシーンも置かれ、雨天でも走り込める。 15歳で単身アメリカに飛び、本場のプロスタイルを身につけた中谷は、言わば逆輸入ボクサーだ。WBOフライ級、同スーパーフライ級、WBC及びIBFバンタム級のベルトを獲得し、ついに4階級制覇を狙って来年5月の井上尚弥戦を迎える予定だ。目下、戦績は31戦全勝24KO。デビュー以来、試合前は毎回、LAでトレーニングキャンプを張っている。原点と呼べる地で名トレーナー、ルディ・エルナンデスの指導を受けるのだ。 井上戦までにスーパーバンタム級で2試合はこなしたいと語っていた中谷だが、チューンナップ戦は12月27日のセバスチャン・エルナンデス(25)戦のみとなりそうだ。同ファイトはサウジアラビアのリヤドで行われる。31戦全勝27KOで、WBA/WBC/IBF/WBOスーパーバンタム級チャンピオンである井上がメイン、中谷はセミファイナルに出場する予定だ。 日本では、実弟の龍人がトレーナーとして中谷を支える。2つ歳下の弟は言う。 「122パウンドへの転向を決め、兄の体は本当に大きくなりました。本人も以前から『スーパーバンタムに上げたほうが、自分の能力を生かせると思う』と話していましたが、実際、物凄くパワーがつきましたよ。ミット打ちでパンチを受けていると、僕が手首や腕を痛めてしまうほどです。スピードも増しました」 中谷が井上に招かれ、名古屋に向かったのは、プライベートジムのオープンとほぼ同じ時期だ。リングサイドの最前列で、自分と同じサウスポーの挑戦者、ムロジョン・アフマダリエフ(30)にモンスターが判定勝ちする様を凝視した。 「井上選手はいろんなタイミングで手が出せるなと思いながら目にしました。自分だったらこんな風に戦う、こう躱(かわ)す、というイメージが自然に湧いてきて、客席で体が動いてしまいました(笑)。間違いなく僕のキャリアで最強の相手ですし、自分が試される一戦になるでしょう。 井上選手は接近したり、距離を取ったりと、出入りするボクシングです。アフマダリエフ戦は、その気になればノックアウトできた筈ですよ。敢えてセーブしていることが、僕には分かりました。相手の一発を警戒したからこその戦い方でしたね。そこに彼の強さを見ました。すべてを超えることが、自分の仕事です」 中谷はモンスター、いや今日の自分を超えるため、日米2つの″虎の穴″で己を鍛え抜く。 10月23日発売の『FRIDAY 11月7日号』と有料版『FRIDAY GOLD』では プライベートジムのこだわりポイント、練習内容からスーパーバンタムに上げてからの身体の変化、来る井上尚弥戦の対策などを赤裸々に語っている。 『FRIDAY』2025年11月7日号より