鈴木農水相、モーニングショーの玉川徹氏をコメ問題で論破
鈴木憲和農林水産相 この記事のまとめ βAIにより本文を要約しています 鈴木憲和農水相は、コメ生産政策の転換を示し、10年先を見据えた農政を目指すと述べました。需要に応じた生産を強調し、現場と共に進む姿勢が評価されていますが、具体策の不透明さを懸念する声もあります。 鈴木憲和農水相(43)が27日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に生出演し、元テレビ朝日社員の玉川徹氏からコメの生産量に関する鋭い質問を受けた。「備蓄米」の放出に踏み切って一時は脚光を浴びた小泉進次郎・前農水省(現・防衛相)からの大きな転換に、ネット上では戸惑いも見られるが、しっかりとしたビジョンを示したことで、SNS上では株を上げた形だ。 番組ではパネルを用いて、コメが高騰している現状や今年の生産量が多いことなどが説明された。 玉川徹氏 玉川氏は、経営規模が大きい農家の方がコストが下がり手取りが増えるロジックを解説し、「いかにそちらに誘導するかが重要。実は農家を守るといいながら、関税で守って高いコメを作ることを守ってきちゃった。そこを石破さんとか小泉さんは転換すると言ってきた。元に戻すんですか? 石破総理、小泉大臣よりも前の、従来型の今までのコメっていう産業を強くできなかった農政に戻すんですか?」と鈴木氏に迫った。 鈴木憲和農水相 10年先を見据えた農政を語る これに対し、鈴木氏は「私は元に戻したいとは思っていません。現場からよく聞くのは(政策が)コロコロ変わるということ。今年、石破総理が増産とおっしゃって、私が来年、需要に応じた生産と申し上げていることが転換と取られたら、皆さんのとらえ方次第と思います」と述べた。 続けて「私がどう変えたいといったら先をちゃんと示していくということ。10年先がこうなる。だからこっちに向かって徐々に生産現場は一緒に行きましょうということを今までそういうことがなかった。来年、再来年どうしようということばかり発信してきた。先を見通せる農政、10年先も作っていくということをやりたい」と語った。 一方で、鈴木氏は23日、産経新聞社の取材で、前政権の小泉進次郎氏が進めた農政からの転換について明確な方針を示し、コメ政策の方向性を語っていた。 小泉農政からの転換、鈴木氏が具体策を提示 特に、前政権が掲げた「需要に応じた増産」に対し、「今年は生産現場の増産により店頭にコメが並ばない状況ではない。来年は需要をどんと伸ばすのは難しく、今年のように増産というふうにはならない」と述べ、増産方針からの転換を強調。 さらに、小泉氏が立ち上げた「米対策集中対応チーム」については、「いつまでも随意契約の備蓄米の放出があるわけではない。必要に応じて解散ということになるだろう」と語り、備蓄米の随意契約放出策の見直しを示唆した。 また、生産現場の混乱を防ぐため、「混乱はない。生産現場はずっと増産をするという方向を出されたことに戸惑いを覚えている。来年はコメ余りになって米価が暴落するという心配がある」と述べ、需要に応じた生産へのシフトを明確にしていた。 玉川氏「票を守ったのでは」、鈴木氏「守るのはこの国の食糧生産」 「モーニングショー」では玉川氏が番組で「兼業農家という票を守ってきたのではないか。守るべきはなんだと考えているのか。票を守るための農政なのか、農業生産を守るための農政なのか。守るべきはなんなんですか」と畳みかけた。 これに対し、鈴木氏は「守るべきはこの国の食糧生産です。それ以上でも以下でもありません。私は票のためにな何かをするということは一切いたしません」と断言した。この発言について補足すれば、産経新聞社の取材でも「価格はマーケットで決まるもので、政府が言うべきものではない。ただ今後は消費者や事業者の声を把握し、需要のある価格帯を分析して、生産現場に伝える取り組みは行う」というコメントと一貫し、市場原理を重視しつつ生産現場に寄り添う姿勢を示している。 X上では、鈴木氏の発言に好意的な反応が多く寄せられた。 あるユーザーは「鈴木農水相の10年先を見据えた農政ビジョン、めっちゃ共感!日本の農業に安定感が必要だよね」と投稿。別のユーザーは「需要に応じた生産への転換、農家の混乱を防ぐ姿勢がリアル。鈴木大臣に期待!」と評価した。 「小泉さんの備蓄米放出策見直しは妥当」の声 また、「食糧生産を守るってハッキリ言ってくれて安心。票より国益を優先する姿勢、応援したい」との声も。さらに、「小泉さんの備蓄米放出策を見直すのは妥当。市場に任せる方向、いいと思う」との投稿も見られた。 一方、ネガティブな反応もあり、あるユーザーは「増産から急に方針転換って、農家が振り回されないか心配。具体策が見えない」と批判。また、「コメ価格の話、結局どう安定させるの?ふわっとした印象」と不満を述べた。それでも、「若いのにしっかりしたビジョン持ってる。鈴木農水相に期待!」との声がXで話題を呼び、全体的に支持の声が目立った。 ■鈴木憲和(すずき・のりかず) 第73代農林水産大臣。衆院議員(5期)。1982年1月30日生まれ。東京都出身。開成高校を経て東京大学法学部卒。2005年農水省入省。2012年農水省を退職し、父の故郷山形へ。2012年12月第46回総選挙で山形2区から初当選。2018年外務大臣政務官。2022年自民党年局長。2023年農水副大臣。被くは、妻・息子(2人)。座右の銘「現場が第一」。
