「落語芸術協会の最高齢」三遊亭圓輔さん死去 93歳 6月まで高座 ギター流し経験で艶噺得意

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芸術協会で最高齢の93歳だった、家の三遊亭圓輔(さんゆうてい・えんすけ、本名岡田基之=おかだ・もとゆき)さんが15日午前7時59分、心筋梗塞のため埼玉県内の病院で死去した。協会が17日、発表した。葬儀は近親者により執り行われる。

1932年(昭7)1月3日生まれ。東京・練馬区出身。58年2月から桂三木助(3代目)に師事し桂木久松を襲名。翌59年10月、三遊亭圓馬(4代目)門下に移り、三遊亭まつ馬を名乗る。62年に二ツ目に昇進し三遊亭圓輔となる。74年3月に真打に昇進した。

芸術協会は「芸術協会の最高齢として、最晩年まで精力的に高座に上がり続け、世代を問わず多くの人々に温かいまなざしを注いでくださった師匠。その姿勢と芸は、今も多くの演者とファンの心に深く刻まれています」とコメントを発表。寄席定席の最後の高座は、今年6月15日、池袋演芸場での「長短」だった。

かつてはの流しも経験し、歌唱力にも優れた。艶っぽい噺を得意とし「三枚起請」「文違い」「お直し」などの廓噺では、色気とユーモアを絶妙に織り交ぜた。さらに「猫忠」「夢の酒」「野ざらし」など、芝居噺や滑稽噺にも味わい深い芸を見せていた。