
埼玉県から東京都への保育士の大量流出が深刻な問題となっている。賃金格差が月約3万円もあり、保育士たちはより高い給与を求めて東京へと流れ込んでいる。埼玉県の待機児童が増加する中、地元の保育施設は人材不足に直面しており、地域の教育サービスが危機に瀕している。
埼玉市の早用幼稚園で働く保育士は、「東京の方が引き手が多い」と語り、賃金の差が現場に与える影響を訴えている。厚生労働省によると、東京都の保育士の平均月収は約30万円に対し、埼玉県は約27万円。これにより、埼玉の保育士たちは東京の施設に転職することが増えている。
新座市では、待機児童が昨年より17人増加したとの報告もあり、地域の保育士不足が深刻化している。埼玉県の大野知事は、東京との財源の偏りを指摘し、国に是正を求めているが、東京都は「受け入れられない」との姿勢を示している。
このままでは、地域の子育て世代が必要なサービスを受けられなくなる恐れがある。市民の不安が高まる中、保育士の流出問題は解決の糸口が見えないまま続いている。今後の施策が待たれる中、緊急の対応が求められている。