
音楽プロデューサーの秋元康氏(67)が20日、東京都江東区のダイバーシティ東京プラザ内で取材に応じ、新たに手がける男性アイドルグループの方針などについて語った。秋元氏の事務所「Y&N Brothers」と東京ドーム、三井不動産がタッグを組んでの大型プロジェクトで思い描く「ゼロから目撃できるアイドル」に込める思いを明かした。
専用劇場が入るフロアで、思い描く未来を明かした。多くの女性アイドルグループを手がけてきた秋元氏が、次は競合の激しい男性アイドルグループを送り出す。
「僕らプロデューサーは始める時は(勝算)100%ですよ。絶対に当たる、絶対うまくいくと。でもそれは何年後なのか。AKB48が6年ぐらいかかった。何年かかるのか分かりませんけど当たることは当たる。このビルの名物になってみんなが見に来る時代が来ると信じている」
67歳となっても「好奇心が自分を奮い立たせる」と新たなプロデュースに挑む心境を語り、自信をのぞかせた。今夏からオーディションを開始しており、メンバーは選考中。求める素質は「ルックスがいい、歌やダンスがうまいというのはもう他にたくさんいる。そうではなく不思議な色合いがほしい」と、独特の表現で示した。
その上で「僕のアイドル論ですけど、容姿や楽曲やパフォーマンスだけではなくて一番はストーリー」と言い切り、「初めはお客さまがAKB48みたいに7人しかいなかったんだとか、その時の前田敦子を見たことがあるとか。そのドラマをどう演出するかがポイント」と過程の重要さを強調。「(ファンも)みんながスタートを一緒にできます。『目撃しませんか?』というのが一番のメッセージ」と未来のスターをゼロから見るという価値も見いだす。
AKB48のコンセプトが「会いに行けるアイドル」だったが、今回は「ゼロから目撃できるアイドル」と掲げた。「この弱小から始まることがおもしろい。10人のファンからスタートしても明日は11人、明後日は12人と少しずつ増えていけば。楽しみですよね」。自身も「レッドオーシャン」と認める男性アイドルの世界でも力を発揮する。