
予選では単独トップも記録
つかみかけた夢舞台への切符が、あと一歩のところでその手からすり抜けていった。
韓国女子プロゴルファーで“セクシークイーン”の愛称で知られるユ・ヒョンジュ(31)が、来季の韓国女子ゴルフ(KLPGA)レギュラーツアー出場権を惜しくも逃した。今季は2部の「ドリームツアー」を主戦場とした彼女は、来季のレギュラーツアー出場を懸けて行われた「シード順位戦 予選」(11月4~5日)に出場。初日に「65」をマークして7アンダーの単独トップに立つと、2日目も「69」とまとめ、通算10アンダーの3位でフィニッシュ。最終予選会にあたる「シード順位戦 本選」(11月11~14日)へと駒を進めた。
本選には125人がエントリー。来季フル出場権を得るには、20位以内に入ることが絶対条件となる。狭き門ではあるが、予選会で見せた精度の高いショット力に、タッチと距離感の合ったパッティングが続けば、上位フィニッシュも可能だと期待する韓国メディアも多かった。しかし最終予選会ともなれば実力者が揃い、20代前半の若手の台頭も著しい。加えてコース難度も上がり、20位以内に入るハードルは極めて高い。加えてユ・ヒョンジュは今季、出場試合数が極端に少なく、実戦経験の不足が懸念材料でもあった。
緊張感の高い最終局面で、これまでの準備をぶつけるべく臨んだものの、初日は「72」でイーブン。2日目「71」、3日目「74」、最終日「74」と流れをつかみ切れず、通算3オーバーの89位で終戦となった。仮に20位以内に入れば、’17年以来9年ぶりのレギュラーツアー復帰だったが、再び高い壁に阻まれた形だ。
「31歳のユ・ヒョンジュにとって、1年ごとがキャリアの分岐点になる。ツアープロとして戦う意志は強いが、韓国では30代選手の活躍は稀で、若手の勢いに押される形でツアーを離れる選手も少なくないのが現実だ。来季、彼女がどのような選択をするのかは現時点では未知数である。しかし、インスタグラムのフォロワーが約40万人に達する人気ぶりからも、復活を願うファンは多い」(ゴルフ専門誌記者)
“ビジュアル先行”という見られ方がつきまとうが、本人は真摯にゴルフに向き合うアスリートだ。過去に外見への注目について問われた際、こう語っている。
「注目されるのは選手としてうれしいこと。外見が注目されるのは否定的なことだとは思いません。でも私は外見だけのゴルファーではありませんし、見た目で関心を集めようとは考えていません」
プロゴルファーは、試合に出てこそ評価され、応援される。今季もレギュラーツアー復帰への強い意志を持って挑んだだけに結果は悔しいが、来季こそは強い姿のユ・ヒョンジュを見せてほしいところだ。



