北海道内で中古マンション価格の上昇が続いている。国土交通省が11月末に発表した8月の不動産価格指数(2010年平均=100)は290.5と、14年で約3倍に上昇し、上昇率は東京都内を上回る。新築価格の高止まりと販売数の減少を背景に、居住目的の中古の引き合いが年々強まっているため。さらに、高価格帯の物件はセカンドハウスとして富裕層から人気で、マンション高騰は新築から中古市場へと舞台を広げている。
【動画】大型除雪機械「ENR-1000」を公開 JR北海道 札幌圏に初導入 札幌市中央区のマンションが立ち並ぶ一画。市内の会社に勤める男性(38)は今夏、築20年のマンション1戸を約3500万円で購入した。間取りは約80平方メートルの3LDK。男性は「新築なら5千万円を優に超える。古い割に高いとも感じたが、さらに上がる前に買おうと決めた」と話す。
中古マンション価格指数の推移
不動産価格指数は、物件の築年数や立地などの影響を除き、同一条件の物件として価格の動きを推計した指数。住宅地、戸建てなどについて毎月発表されており、マンションは「ほぼ全て中古が対象」(国交省)だ。 価格指数290.5は、基準となる2010年から価格が2.905倍になったことを意味する。道内は直近5年で52.0%上昇。東京の24年8月の指数210.5、5年間の上昇率44.1%の両方を大きく上回る。 合わせて発表した今年1~8月の道内の売買件数は、前年同期比7.5%増の計3652件だった。大半が札幌とみられ、活発な売買が価格上昇を呼んでいる。 東急リバブル札幌支店では、本年度上半期の中古マンション成約件数は前年同期比15%増。新築価格の低下が見込めないため、中古購入に踏み切る客が増えた。佐藤禎晃支店長は「以前は2千万円を切る物件も多かったが、今は3千万円台が中心。築30年以内で立地が良ければ、ほとんどが新築時より高値で売れる人気ぶりだ」と説明する。