12月6日に都内の自宅で入浴中の不慮の事故により亡くなった中山美穂さん(享年54)の葬儀・告別式が12日に都内の斎場で営まれた。その終了後、喪主を務めた実妹で女優の中山忍(51)が美穂さんの公式サイトでコメントを発表した。
忍は《私にとって姉は『大好きなお姉ちゃん』であるとともに『みなさんの中山美穂』であり、『永遠のシャイニングスター』です》と、姉のヒット曲のタイトルを引用し、尊敬する姉への思いをつづっていた。また、元夫で作家の辻仁成(65)との間にもうけた一人息子(20)もフランスから駆けつけ、美穂さんと再会できたことを報告。お別れ会は後日予定しているという。
「葬儀・告別式の模様を報じた一部スポーツ紙によると、家族と事務所関係者ら約30人が参列。祭壇には美穂さんが好きだった深紅のダリアなど色とりどりの花が敷き詰められ、デビュー曲『「C」』やシングル39作全てのCDや思い出の写真が飾られていました。
祭壇の中央には、最後のステージとなった今月1日のビルボード横浜でお気に入りのドレスをまとって歌う美穂さんの遺影が。それまでは気丈に振る舞っていた忍さんでしたが、最後の喪主のあいさつでは、こらえていた涙があふれ出て言葉に詰まってしまいました。その様子に参列者はみんなもらい泣きしていたそうです」(芸能記者)
美穂さんは1985年1月にドラマ『毎度おさわがせします』(TBS系)で女優デビュー、同年6月には同局系の主演ドラマ『夏・体験物語』の主題歌『「C」』で歌手デビューを果たした。その後も女優・歌手の〝二刀流〟で大活躍していたが、’90年代に入ってからは大きな記録を打ち立てる。
「1994年1月スタートの主演ドラマ『もしも願いが叶うなら』(TBS系)の主題歌『ただ泣きたくなるの』が、単独名義で初の100万枚超えのミリオンセラーを記録しました。その前の1992年には人気バンド『WANDS』とコラボした『世界中の誰よりきっと』がミリオンセラーを達成しています。
’80年代デビューの女性歌手でミリオンヒット2曲は初の快挙。この大記録を達成したのは、美穂さんと、1986年にデビューして、美穂さんと同じように俳優業もこなしながら、『PIECE OF MY WISH』(1991年)と『PRIDE』(1996年)がミリオンヒットとなった今井美樹さん(61)しかいません」(レコード会社関係者)
◆今後も破られることのないであろう記録
TBS系のドラマでデビューした美穂さんだが、女優として売れっ子になると、同局とフジテレビが美穂さんのドラマ主演の座を奪い合うような状態になった。
フジでは1989年1月期の『君の瞳に恋してる!』以後、『すてきな片想い』(1992年)、『For You』(1995年)など、続々と看板ドラマ枠の月9枠の主演に起用されている。さらに主演ドラマの主題歌も歌っており、ここでも今後打ち破ることが不可能だと思われる大記録を打ち立てていた。
「今年の10月期までの月9の主演回数は、11回の木村拓哉さん(52)に次ぐ2位で7回。女性の俳優で主演回数トップ10入りしているのは美穂さんだけです。さらに、女性歌手での月9主題歌起用曲は4曲で家入レオさん(30)と並びトップタイです。
家入さんは、今後も所属事務所の俳優陣が月9主演に起用された際に主題歌を担当することもありそうなので記録更新の可能性があります。しかし、最近の月9はどんどん主演を変えていて、なかなか2作目の主演は回って来ません。主演回数の記録更新は難しいでしょう。
今後、美穂さんのように歌手と俳優を高いレベルで両立させる人はもう出てこないのではないでしょうか。グループに所属している人は別ですが、最近では各局ともに、なかなか主演の俳優が主題歌を歌うことがなくなってきています」(テレビ局関係者)
近年の美穂さんは、映像作品では脇役に回ることが多く、役の幅を広げていた。
美穂さんの公式サイトは16日、生前に撮影していたドラマが来年1月に放送されることになったと発表した。放送されるのいずれも’25年1月にスタートする、香取慎吾(47)主演の『日本一の最低男※私たちの家族はニセモノだった』(フジテレビ系)と、TOKIO・松岡昌宏(47)主演の人気ドラマシリーズ最新作『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)。
最低男』には保育園の園長役で出演し、9日放送の第1話と23日放送の第3話に出演。『ミタゾノ』には同14日放送の第1話のメインゲストとして出演しているという。
本来ならば、これからも数多の作品に出演していたことだろう。その早世が惜しまれる。