
オーストラリアで充実した撮影
――デビュー25周年、そして写真集の出版おめでとうございます。
「ありがとうございます! 記念イヤーということで、オーストラリアで撮影してきました。前回の写真集『and more』(講談社)から約2年ぶり、しかも40代に入って初めての撮影だったので、すごく感慨深いです」
――どんなコンセプトだったのですか?
「テーマは……″今の磯山さやか″です(笑)。ここ数年は毎回、今の年齢だからこそお見せできる自然体の自分を表現できたらいいなと思っています」
――ケアンズとフィッツロイ島に行かれたそうですね。
「4日間のロケで、2日目はフィッツロイ島、それ以外の日はケアンズで撮影に臨みました。フィッツロイ島はケアンズからフェリーで約40分のところにあるのですが、荒波、強風で船酔いしてしまって……。しかも、到着後すぐにビーチで撮影予定だったにもかかわらず悪天候(笑)。今日はツイてないな〜と思っていた矢先、奇跡的に晴れ間がさすタイミングがあり、チーム一丸となって撮り尽くしました。海の透明度が高く、『海外キタ――ッ』と思える瞬間でしたね」
――ほかにも印象に残っていることがあれば教えてください。
「3日目は、大豪邸での撮影から始まり、川、ビーチへとロケーションを移しました。その豪邸で飼われているボーダーコリーのワンちゃんと撮った写真も、お気に入りのカットです。最終日はサファリの中にあるようなハウスで撮影したのですが、野生のワラビーも見れました。無事撮影を終えることができて、達成感と安堵の気持ちでいっぱいでした」
――充実の4日間だったのですね!
「そうですね。写真集を出せるのは当たり前じゃないと常に思っているので、毎回『これがラストかな』という緊張感を持って、やらせていただいています」
――そんな謙虚な姿勢が愛される秘訣かと思いますが、今回もそういった心持ちで挑(いど)まれたのですか?
「はい、今回も『これが最後かもしれない』と思いながらやりました。高校生の時に野球部のマネージャーをしていたのですが、公式戦の試合前日の心境と似ているかもしれません。″負けたら終わり″。私自身が限界を感じたり、結婚をしたら″試合終了″なので、こうした写真集を作り上げる時は、一抹の寂しさを抱えながら挑んでいます。ただ、その寂しさを気合に変えて、『今のベストを撮ろう!』という気持ちでやっているので、毎回が最高傑作のはずです」
時代の変化と培った実力
――高校2年生でデビューし今年で25周年。駆け出しの頃を覚えていますか?
「10〜20代前半は用意されたシチュエーションの中で撮影することが多く、スタッフさんたちが決めてくれたレールに乗って懸命に走っていたように思います。当時は撮影量も多くて、月に3回海外へ行くこともありました。あの時期にいろいろな経験を積めたことが、その後のグラビア人生の糧(かて)になりました」
――次のステージは?
「20代中盤になった頃、10年ぐらいキャリアを積んだおかげで挑戦したいことが明確化してきて、リクエストが出せるようになりました。スタッフさんたちも、これまで培った実力を認めてくれて、こちらの意見を受け入れてくれましたね。30代になると、より″ファンの方のために″という思いが強くなりました。当時は20代後半で結婚して辞めちゃう子が多かった時代。『まだやっていていいのかな』という葛藤が私の中に生まれたのもこの時期です。グラビアが一番好きなお仕事なので、30代・40代になっても続けられていることに感謝しかありません」
――40代はどうでしょう?
「逆にどうでしょうか?(笑) 今年42歳……自分でも信じられません! 長年『結婚したら辞める』と宣言しているんですけどね(笑)。今はいい時代になって、グラビアに年齢は関係ないって言ってくださる方も多いですが……それでも自分の中での葛藤は続くと思います」
――レジェンドと称される磯山さんが思う、グラビアの最大の魅力は?
「100%自己表現ができるところです。スタッフさんのお力添えもありますが、『これが磯山さやかです』って言える職業、それがグラビアの魅力です」
――グラビア業界は、この25年間で変わったと思いますか?
「多様性の時代に突入して、『グラビアアイドルだけやっています』という人が少なくなった気がします。私たちの時代はグラビアアイドル一本が主流でしたが、今はアイドルも本業+αでグラビアをやる時代。例えば、雑誌の表紙を飾れる機会は週刊誌なら月4回、月刊誌なら年12回と決まっているわけですが、その枠を巡って何百人という人が奪い合う構図になってきたので、グラビアアイドルにとってはとてもシビアな世界に変わったなと。一方で、SNSが普及して、セルフプロデュースできる世の中になったことは大きな変化でもあります。バズったらいろいろな人に見てもらえるし、海外の人にだって届くかもしれない。そういう意味ではチャンスが広がったんじゃないかなって思います」
――最後に、これからの展望をお聞かせください。
「引き続き、″仕事は楽しくやる!″を大事にしていきたいですね。’21年には自分の事務所を立ち上げたので、会社ももり立てていきたいと思います!」

イソヤマ サヤカ 42歳
茨城県出身。高校2年生の時に芸能活動を開始し、今年で25周年。大ヒット写真集『and more』から約2年ぶりの最新写真集『余韻』が発売
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小林稔侍 出演作品
小林稔侍さん(84)がカッコ良過ぎてハマっています。再放送されているドラマのなかでもとくに、『駅弁刑事・神保徳之助』『税務調査官・窓際太郎の事件簿』(TBS系)、『炎の警備隊長・五十嵐杜夫』(テレビ朝日系)シリーズが大好き! どの役柄も、普段はお茶目なおじさんなのですが、ここぞという時に敵と対峙する姿がクールで……ここにきてギャップの虜になっています(笑)
『FRIDAY』2025年11月7日号より